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2022年8月28日(日)にオンラインにて「第2回中高生のための働き方講演会-個性を社会に活かす未来の働き方について考えよう-」を開催いたしました。新型コロナウイルス感染症の感染拡大を踏まえ、オンラインでの開催となり、全国各地から多くの方々にご参加いただきました。
今回は中高生の皆さんに、個性を活かして活躍する働き方について考えていただくため、企業でご活躍されているお二方にご講演いただきました。各講演後の質疑応答では、参加者はチャット機能やマイクを通して講演者に質問をしました。素朴な疑問から具体的なことまで、講演者のお二方にご丁寧にお答えいただきました。


最初の講演は、門松 裕也様(株式会社コーセー 研究戦略室)『キャリアについて考えよう』というテーマでお話しいただきました。大学院では水産学を専攻し、現在は株式会社コーセーの研究開発系総合職採用担当として働かれています。高校時代から今に至るまでのお話や、キャリアを考える上でのヒント、コーセーでの働き方などについてお話しいただきました。理系に進んだきっかけは友人の影響と「数学が嫌いじゃなかった」ことだったそうです。大学時代には水産廃棄物の有用性について研究し、2011年の就職氷河期の中、化学・食品メーカーを中心に、「B to C(企業が一般の消費者にモノやサービスを提供すること)」「ものづくり」「働く環境」を重視して就活を進めていたそうです。人の良さに惹かれてコーセーに入社し、はじめは新商品の開発に携わるなど、スキンケア製品づくりの楽しさを実感したそうです。その後製品づくりのルールづくりに関係する安全性を守る部署に入るも、難しさを痛感してキャリアに悩んだこともあったとのこと。「元を辿れば「人」に惹かれたのだから、人に関われる場所がいい」と思い、現在の部署に移動されたそうです。広告などで見かける商品に携わることができたり、業界1位を取れる可能性があるということが化粧品会社で働く楽しさと語っており、コーセーでの多様な働き方についても丁寧にご説明いただきました。キャリアを考えるときのヒントについて、「興味があるものに向かっているときは力を発揮できる」「目の前の仕事に真剣に取り組めば花が咲く」「早いうちからやりたいことを見つけておくのはいいこと」「内発的動機付けで仕事ができるといい」など、中高生がキャリアを考える上で大変参考になることを教えてくださいました。

次の講演は、吉葉 諒子(SAPジャパン株式会社 クラウドサクセスサービス事業本部)『ニューノーマル時代における新しい働き方~Pledge to Flex~というテーマでお話しいただきました。ドイツに本社のあるSAP SEはソフトウェアとサービスを提供する会社で、この日本法人がSAPジャパン株式会社です。吉葉様は「ITコンサルタント」というジャンルのお仕事とのことですが、製品開発のサポートにあたる「プロジェクトサポート」、ITスキルとコミュニケーションスキルの両方を要する「カスタマーサポート」など、SAPでの仕事内容は多岐に渡るそうです。仕事をする上で大切なことが、ITなどについての専門知識(ハードスキル)と、国語力・英語力・コミュニケーション能力・努力できる力(ソフトスキル)の両方を身につけることだということでした。このITコンサルタントという仕事に就くまでの経歴についてもお話しいただきました。小中学生の頃に読んでいたSF物語や生物に関する本の影響や、将来の選択肢の幅を広げるために理系を選択し、大学では微生物のアーキア(古細菌)について研究されていました。大学4年の時、「これ以上お金をかけてもやりたいことがないなら無駄だ」と思い就職を選択し、理系就職の中でも自分にとって新しい分野であるITに行きたいという思いでIT企業に就職されました。SAPではチーム全員で働くことを大事にしており、決まったポジションに人を充てる「ジョブ型」を採用しているそうです。社内で色んな仕事にチャレンジする仕組み、働く場所や時間に柔軟性を持たせる仕組みなどもあるそうです。文系理系問わず「勉強し続けること」が一番大事だというメッセージもいただきました。

講演者のお二人から、やりたいことを見つけて一生懸命頑張ることの大切さ、個性を存分に発揮できる働き方や考え方を教えていただきました。中高生の皆さんにとって、今回の講演が自分の働く姿を想像するヒントやきっかけになっていれば嬉しいです。


それぞれの講演後の質疑応答では、参加者から仕事選びについてや、大学での学びをどう仕事に活かしているのかといったような幅広い質問が寄せられ、講演者のお二方の働く姿や学生時代の想いをより詳細に知ることができました。