2026年3月27日に「植物を使った実験教室 葉の断面でわかる植物のくらし:キャンパスの植物を顕微鏡で観察」を開催しました。
講師は植村知博先生(お茶の水女子大学理学部生物学科・教授)と岩崎貴也先生(お茶の水女子大学理学部生物学科・講師)が担当し、アシスタントはお茶の水女子大学の大学院生2人と学部生1人が務めました。
植物の葉には、厚いもの、薄いもの、硬いもの、やわらかいものなど、さまざまなちがいがあります。では、こうした違いはどのようにできているのでしょうか。また、それぞれの植物のくらしと、どのように関わっているのでしょうか。今回は、植物の葉の断面のプレパラートを作って顕微鏡で観察しながら、植物の体のつくりとくらしのつながりについて考えました。
葉の構造を学ぼう
はじめに植村先生から、植物の器官について学びました。植物の体がどのような器官に分かれているのか、そして今回注目する「葉」について、外からは見えにくい内部のつくりや細胞のならび方を教えていただきました。
なかでも、ふだん何気なく見ている葉に「表」と「裏」があること、そしてその違いがどのように決まるのかというお話は、参加者のみなさんにとっても新鮮で、とても興味深い内容でした。
光学顕微鏡を使って植物の葉の断面を観察してみよう
次に岩崎先生から、顕微鏡を使った切片の観察について学びました。観察の前には、1人1台用意された光学顕微鏡を使って、各部品の名前や使い方をしっかり確認しました。
その後、今回はプラントミクロトームで作成したヤブツバキ、トウモロコシ、スギナの切片を観察しました。切片をトルイジンブルーで染色することで、葉の中のさまざまな構造が見えやすくなり、それぞれの植物がどのような特徴をもっているのかを考えました。
また、顕微鏡にはスマートフォンでもきれいに撮影できるよう、接眼レンズにアダプターを取りつけました(アダプターは、お茶の水女子大学サイエンス&エデュケーション研究所の提供)。参加者のみなさんは、染色の時間や見え方をそれぞれ工夫しながら観察を進めており、とてもきれいな写真をたくさん撮ることができました。顕微鏡で見えた世界を自分のスマートフォンに記録できることも、観察の楽しさにつながっていたようです。
いろいろな植物を採集・観察し、自由に比較してみよう
次に、シロイヌナズナやアオキ、ドクダミなど、さまざまな植物の切片を観察しました。さらに希望者はキャンパスに出て、実際に生えている植物を観察し、断面を見てみたい植物を自分で採集して持ち帰りました。
同じ「葉」であっても、植物によって厚みや細胞の並び方、すき間の多さなどが少しずつ異なっており、参加者のみなさんはそれぞれの植物の特徴を見比べながら、自由に比較を楽しんでいました。
最後には、それぞれが撮影した切片の写真を共有し、鑑賞会を行いました。同じ植物を見ていても、見る場所や染色の具合によって印象が変わることもあり、参加者同士で発見を共有する時間となりました。
植物は身近な存在ですが、葉の中をのぞいてみると、くらしに合わせたさまざまな工夫が見えてきます。今回の実験教室を通して、参加者のみなさんが植物を「なんとなく見る」のではなく、「どうしてこんな形なのだろう」と考えながら見るきっかけになっていればうれしく思います。観察し、比べ、発見するおもしろさを感じられる時間となりました。

