2026年9月27日(日)に数値計算プログラミングワークショップ「めざせ!カーボンニュートラル!」を開催いたしました。対面開催で、小学校5年生から中学3年生までを対象として、多くの児童・生徒、保護者の方にご参加いただきました。ワークショップの途中には、保護者の方と大学教員との懇談の時間も設けられました。
今回はK3Tunnelを用いて、どのようなアクションを実行するとCO2排出量を減らし、カーボンニュートラル(温室効果ガスの排出量と吸収量を均衡させること)の実現につなげることができるのか、シミュレーションを行いました。
K3Tunnelとは、日鉄ソリューションズ株式会社が提供しているプログラミング学習コンテンツです。世の中では、人口推計、混雑予想、需要予測など、さまざまな事象を数式で表し、計算することで検証したり予測したりすることが行われています。K3Tunnelでは、このような「計算するプログラミング」が社会の課題解決にどのように活用されているのかを体験することができます。
イベントでは、はじめに温室効果とは何か、温室効果ガスにはどのようなものがあるのかなど、カーボンニュートラルについての基礎知識を確認しました。また、プログラム内のストーリーにAIが登場することから、参加者に普段AIをどの程度利用しているかを尋ねる場面もありました。身近な技術について考えながら、ワークショップがスタートしました。
続いて、日本全体から排出されるCO2の区分と量を確認しました。ワークシートでは、CO2の排出区分を「家庭」「運輸」「産業」「業務」「その他」の5つに分類しています。家庭でのエアコンや家電の利用、自動車による移動、製造業やサービス業など、私たちの日常生活や経済活動のさまざまな場面からCO2が排出されていることを数字で確認しました。
次に、CO2排出量を減らすための60種類の「アクションリスト」を参照しました。それぞれのアクションには、「CO2削減ポテンシャル」「コスト」「がんばり度」が設定されています。
ここでは、アクションリストの中から一つだけ選ぶとしたらどれを選ぶか、参加者に意見を尋ねました。「自分でも実行しやすいもの」を選ぶ参加者もいれば、「より多くCO2を減らせるもの」に注目する参加者もおり、積極的に手が挙がりました。同じデータを見ていても、何を重視するかによって選択が変わることが印象的でした。
例えば、「家で冷暖房を使うのをやめる」というアクションでは、CO2削減ポテンシャルは-8000 kt-CO2、コストは-5100億円、がんばり度は10000と設定されています。CO2を減らし費用も節約できますが、暑い日や寒い日にも冷暖房を使わないことになるため、大きな「がんばり」が必要です。
一方、「家の屋根に太陽光発電パネルをつける」の場合、CO2削減ポテンシャルは-32100 kt-CO2、コストは1800億円、がんばり度は0です。このように、CO2をどれだけ減らせるかだけでなく、費用や生活への負担もアクションによって異なります。
シミュレーターを動かす前には、アクションを一定の割合で実行した場合に、CO2排出量やコスト、がんばり度がどのように変化するのかをワークシートで計算しました。数字の意味や計算方法を確認したうえで、その計算をプログラムへとつなげていきます。
K3Tunnelでは、複数のアクションを組み合わせ、CO2排出量、コスト、がんばり度のバランスを考えながらシミュレーションを行うことができます。参加者はアクションごとの実行量を変えながら、より高い総合スコアを目指して試行錯誤していました。
今回のプログラムでは、カーボンニュートラルのためにどのような行動が考えられるのかを学ぶだけでなく、それぞれの効果を数字で比較し、複数の条件を踏まえて選択する経験もできました。シミュレーターを動かしながら結果を確かめることで、データを活用して社会の課題を考えるという、データサイエンスの基本的な考え方にも触れる機会となりました。
終了後には、K3Tunnelのサポートを担当したお茶の水女子大学の理系学生や、日鉄ソリューションズ株式会社に勤務するお茶の水女子大学卒業生と、参加した児童・生徒、保護者との意見交換も行われました。「好きな元素は何ですか?」といった質問や大学生活についての質問も飛び出し、参加者と学生・卒業生が気軽に交流する場となりました。