国立大学法人お茶の水女子大学 〒112-8610 東京都文京区大塚2-1-1
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ブレーズ・パスカル大学はオーベルニュ地方の都市、クレルモン・フェランにあります。パリから特急列車で3時間半、フランスのちょうど真ん中らへんに位置した所です。遠い昔、教皇ウルバヌス2世が第一回十字軍の派遣を呼びかけた歴史ある土地で、現在では、ミシュランの本社があることで有名です。オーベルニュには火山が多く、ヴォルヴィックの採水地もこの地方にあります。クレルモン・フェランには火山の石を使って建てられたため、黒い建物が多いことが特徴的です。
街はそれほど大きくなく、大学も買い物も寮から徒歩で行くことが出来、とても生活しやすかったです。生活に必要なものはたいてい手に入り不便な場所ではありませんが、だからといってパリのような華やかな感じでもなく、一年間落ち着いて勉強することが出来ました。寮には現地の学生と留学生が半々位の割合で住んでいて、皆感じは良かったです。食事は、各階で共通に使用するキッチンで自炊したり、学食で食べたりしていました。学食は2.9ユーロで前菜、メイン、デザートにパンがついてボリューム満点でした。平日は授業を受けたり、図書館で自習したりして過ごし、休日は、電車に乗って少し遠くまで出かけたり、友人の家にディナーに招待されたり、逆に私が招待したりして過ごしていました。
大学では美術史を専攻していました。授業は、講義形式のものと、少人数での演習形式のものと2本立てになっていて、演習形式のほうではレポート課題が課されたり、定期的に小テストが行われたりしました。初めのうちは、授業についていけず大変でしたが、友達にノートを借りたり、図書館で参考文献を読んだりしていくうちにだんだん慣れて先生の言っていることがわかるようになってきました。現地の学生達はとても勉強熱心で、欠席したり、授業中に寝たりしている人はほとんどおらず、授業もその日のうちに復習している子が多かったです。フランスで美術史を勉強して良かったと思う点は、授業で習ったことを美術館に行ったり、旅行したりすることで実際に自分の目で確認できるという点です。バカンス中はパリの美術館に作品を見に行ったり、フランス国内の美術史に関係する場所を巡ったりすることが出来ました。美術史専攻の学生証を持っていると、大抵の美術館や歴史的なモニュメントの入場料が無料になるので助かりました。
クレルモン・フェランは日本人がとても少なく、結果として一年間日本人の友達が一人も出来ることなく過ごしました。困った時などに日本語で相談できる相手がいないのはなかなか不自由でしたが、その分フランス人や他の留学生と、フランス語で語りあう機会を持てたことはとても良かったと思います。留学生活は大学の勉強だけでなく、フランスの社会のことや他の留学生の国のことなんかも知ることが出来て大変貴重な経験になりました。
留学が決まってからは、大学の授業のほかに仏検やDELF・DALF(フランス国民教育省認定フランス語資格試験)の対策を行い、出発前までに仏検2級とDELF B2を取得しました。
毎年秋に開催される交換留学説明会を聞きに行ったりしていました。もう少し自分から国際交流室に足を運んで情報収集するべきだったと思います。
交換留学生としてお茶大からフランスに留学するのは私が初めてだったので、手続の仕方や大学の授業についての情報が少なく、自分のやり方であっているのか常に不安でした。
フランス大使館のホームページを参照しながら長期学生ビザを取得しました。
渡航3ヶ月前に航空券を購入、1ヶ月前に留学保険に加入しました。
学生寮。大学側が用意してくれました。シャワー、トイレ付の一人部屋で、まだ新しく住み心地は良かったです。ただ、たまに夜中に人が騒いでいてうるさかったのと、セキュリティーはあまりよくない印象でした。
216.05ユーロでした。
毎月平均して400ユーロくらいでした。物価は食べ物や日用品など大抵のものは東京に比べて安かったです。ただ文房具は高く、品質もあまりよくないです。
教科書などはなかったので、文献のコピー代がかかったくらいです。
大学は街の中心部から近く、治安も悪くないです。近くには白鳥のいるきれいな公園があり、とても落ち着いた雰囲気でした。
山に囲まれた地形なので寒暖の差が大きい印象でした。冬は雪がたくさん降り寒かったです。逆に6月や9月は直射日光が強く暑かったです。1年を通して雨はあまり降らず、乾燥していました。
味噌や梅干などの日本食があると、フランスの料理に飽きたときに良いと思います。(街にあるアジアの食料品店でも少しだけ日本の食材が買えます。)あとは、文房具は一通り持っていくことをおすすめします。特にボールペン。なんでもないようなボールペンが250円くらいしました。
一度も病気にならず、病院にはお世話になりませんでしたが、困ったときはフランス人やフランス語の得意な友人に相談しました。
治安はパリなんかと比べると悪くないほうだと思いますが、夜暗くなってからはあまり一人歩くのは避けたほうが良いと思います。
9月に集中講座、前期に週12時間、後期に2.5時間、大学付属の機関でフランス語の授業を履修していました。内容は会話、読解、リスニング、作文と幅広く学習しました。ただ、フランス語で生活するための講座という感じで、大学の授業のための準備講座のようなものを望んでいた私にとって少しもの足りなかったです。
英語の授業は履修していませんでした。
全て自由に履修できました。ただ、もう少し授業の内容やシステムを説明して欲しかったです。
初めのうちは専門用語をフランス語で何と言うのかほとんど知らない状態だったので大変でした。フランス人の友人にノートを見せてもらったり、図書館で関連する文献を読んだりして試験に備えていました。
有益でした。先生方は熱心で毎回授業の内容が濃く、試験では論述力とともに正確な知識が必要とされ、とてもためになったと思います。フランス人のクラスメイトと授業の内容について語り合ったりしたのも刺激的でした。
たいていの授業が講義形式だったので、友達をつくるのは難しかったです。
いい意味でも悪い意味でも放任状態でした。美術史専攻の交換留学生は少ないみたいで、私の周りにはいなかったので自分の好きなように振舞っていました。
国際交流課の人です。
ありませんでした。
お茶大では仏文専攻、留学中は美術史と違う分野を勉強していたので、こういう場合単位互換は難しいのではないかと思います。
図書館などの大学施設は現地の学生と同じように使えました。国際交流課に言われた通りに履修の手続きを踏んでいるのにクラスの名簿にはいつも私の名前がなかったのが悲しかったのと、先生にどうして自分の名前が無いのかいちいち説明しなければならないのが面倒でした。
サークル活動などに参加したりしない限り、現地の学生と触れ合うのは難しい印象でした。日本語学科のある大学なんかは比較的簡単友達をつくれるみたいですが、ブレーズ・パスカル大学には日本語学科はなく、それも難しい一因だったと思います。私の場合は、友達の紹介で出会ったり、たまたま大学の廊下で話しかけてきた人と仲良くなったりしていました。
一度だけ、交換留学生のためのオリエンテーションが開かれましたが、既に生活に慣れ、色々な手続きが済んだ後だったので、あまり意味が無かったです。
ブレーズ・パスカル大学には日本語学科はなく、日本語を学んでいる学生は少ない感じだったので、あまり機会はありませんでしたが、個人的に頼まれて少しだけ日本語を教えたことはありました。
フランスは滞在許可や履修の手続きが煩雑だったり、事務室等の開館時間や店の営業時間が短かったり、しょっちゅうストをしていたりと、日本だったらすぐに済むような簡単な事がフランスだとものすごく時間がかかったりします。また、フランスの中でも都市によって雰囲気ががらりと変わるのでそういう情報を知っておいたらよいかと思います。
色々な人に助けられながら過ごした1年間だったと思います。