国立大学法人お茶の水女子大学 〒112-8610 東京都文京区大塚2-1-1
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留学により、私は自分の’核’となるものがどこにあるのかわかりました。どんなに辛くても、本当に好きなものならば歯を食いしばって続けることができる、そして、何をしていても、何を見ていても自分の核となるものに必ず戻ってくる、ロンドンで色々な物を観て、学び、聴き、深く掘り下げて考えて、自分の核がこの一年で分かった今、これからはそれを追求するだけです。この1年間の留学は私の人生においてかけがえのないものとなりました。
「どうしても医療人類学を勉強したいのです」教授のところに通いつめることから私の留学生活は始まりました。医療人類学は大学院の授業であり、大学生かつ交換留学生である私にとって、受講許可を取ることは難しく、熱心に交渉し続け、レポートを提出した結果、受講を認められることになりました。
認められたものの、大学院生の授業は想像を超えて厳しいものでした。大量の文献が詰め込まれたReading Listが配られ、教授の指示は「好きな文献を読み、引用を2つ授業に持ってくること」というものでした。授業は3時間、二部分に区切られ、前半は教授による授業1時間、後半は生徒によるディスカッション2時間となっています。初めてのディスカッションに出て驚いたことには、多くの生徒がReading Listにあるほぼ全ての文献に目を通しているということでした。留学当初、私は1日かけて1~2本の論文を読むのが精一杯、しかも内容をくみ取れているのかというと、それも怪しいものです。ディスカッションも授業も、意見を言うことはおろか、議論がどこにあるのかということを掴めず、自分のリスニング力の限界を感じる日々でした。このようにして、私の留学生活は医療人類学を中心に動き出しました。
留学生活前半は、くやしさと、どうしても理解したい、ついていきたいという思いから、部屋あるいは図書館に籠ってひたすら勉強していました。この努力のかいもあり、後期はぐっと楽になったのです。ディスカッションで初めて発言することができた日、教授とクラスメイトはものすごく喜んでくださり、苦しい思いをしても、医療人類学をやると決め、途中で投げ出さないで頑張ってきてよかったと心から思いました。
勉強面だけではなく、自分の視野を広げるうえでロンドンは素晴らしい街でした。毎日のように開催されるセミナー、様々な図書館、芸術、文化を人々に伝えていこうとするイギリスの伝統。無料の美術館、博物館、ギャラリー、劇場。ロンドンは学生には安く芸術にふれる様々な機会を提供していました。どれだけ多くの種をこの一年で拾うことができたか、そしてそれらの種がこれから先の私の人生でどのように花開いていくのか、と私を留学させてくださった方、現地で私を支えてくださった方への感謝の気持ちでいっぱいになります。
留学前準備、留学中そして留学後も決して楽な道のりではありません。しかし、どんなにしんどいことがあったとしても、この留学は自分の人生を留学前と後で大きく変えた、かけがえのないものであった、と心から言い切ることができます。多くの方にSOAS留学というチャンスを掴んでいただくことをお祈りしております。
語学の勉強は単語習得が中心でした。留学前の準備だけに限らず、毎日BBCニュースを聴いています。
SOASのホームページ上、あるいは他大学でSOASに留学する友人がいたので、その友人と情報交換をしていました。
ビザ取得には時間と労力がかかりました。
業者を通じて、1年間の学生ビザを取得しました。イギリスに留学される方は、ビザ審査が厳しくなっていますので、業者に頼まれたほうがいいように思います。
クロネコヤマトの海外留学宅急便で荷物を送りました。またイギリス大使館にて7月ごろ開かれる海外留学説明会では、格安航空券情報やイギリスで使う携帯電話について、また現地で役立つ情報を得ることができたので、時間があれば参加されるといいと思います。
私はSOASの寮に1年間住みました。ロンドンの中心駅のひとつ、キングスクロスが最寄り駅なので、大変便利でした。部屋は広くはありませんが、キッチンは広々としていて快適に一年過ごすことができました。住居確保に関しては、早めに寮の申し込みをしないと、部屋を確保できなくなるという情報があったので、かなり早い段階でSOAS留学手続き、寮申し込みを行いました。可能な限り早い手続きをおすすめします。
日本円で10万円、700ポンド程度。
物価は高いです。私は基本的に自炊をしていましたが、食費には月3~4万円程度かかってしまいました。
授業ではelectronic resourcesが主な資料だったので、本代はそれほどかかりませんでした。しかしこれは授業によると思います。授業で使う本は大抵図書館にあります。
大英博物館や大学が密集していて学生が多いです。一歩SOASのエリアを出れば、ロンドンで一番賑やかな通りにでます。
涼しく、夏でもはおるものが必要です。すごしやすい気候であったように思います。
薬、またボイスレコーダーがあると授業の復習に役立ちます。
一度も病気になりませんでした。現地到着後、留学生はNHSというイギリスの医療サービスに登録するので、具合が悪くなってもNHSでみていただくことができます。
ロンドンは比較的安全な街であるという印象は受けましたが、それでも最低限自分の身を守ることは必要です。
1ヶ月のPre-sessional courseに参加していました。このコースでは、論文の書き方、授業のノートの取り方など、本学期が始まって必要となるスキルをみっちり教え込まれます。
交換留学生は授業を選択する前に、各クラスの先生の許可をいただく必要があります。友人も私も、許可をいただく際に聞かれたのは、英語力とその授業への熱意についてでした。多少英語力が要求されるレベルにないとしても、「どういう理由で、この授業をどうしても取りたい」と熱意をみせれば、先生方も快く受け入れてくださいます。しかし、正規の学生と比べて、優先順位が低いこともあるようで、私は経験しませんでしたが、人気が高いコースでは交換留学生は認められなかったということがあったそうです。また、基本的には学部生の大学院のコース受講は認められていないようですが、熱意と交渉次第では受講を許されるようです。私は大学院のコースを受講したかったので、先生と交渉し、小論文をだして、その出来によって受講を認められました。
想像を超えて大変でしたが、努力次第でぐっと楽になります。
大変有益でした。
特にフラットメイトと大変仲好くなりました。
先生に拠りますが、正規の学生への期待度、優先順位のほうが高いと感じることもありました。きちんと言いたいことを伝えられなければ、相手にされないこともあるので、語学ができないということは不利になります。
本学期が始まってすぐに、日本人留学生を対象に説明会が開かれ、そこでチューターもわりふられます。チューターの先生方は日本語学科の先生方なので、いざとなったら日本語でも相談にのっていただけます。
ありました。
特にありません。
正規の学生よりは、優先順位が低くなるように感じることもありましたが、それでも熱心に耳を傾け、面倒を見てくださいます。
ボランティア形式で日本語を教える機会があったようです。
留学生対象のパーティーは何度かありました。
日本語を日本語学科の学生に教えるボランティアは頻繁に募集されていました。
取りたい授業が、自分の留学する年に開講されるか、交換留学生にも開かれているかということははきちんと確認しておいたほうがいいと思います。
自分が1年間の留学を通して何をしたいのか、ということを見失わないようにすれば、素晴らしい日々を送ることができるのでは、と思います。多くの方々にSOASに留学して、貴重な体験をしていただけたらと思います。