日本と世界をつなぎたい ─ グローバルに働く ─

福田 愛奈さん
福田 愛奈さん
PwC(あらた監査法人)
リスク・コントロール・ソリューション部
2007年お茶の水女子大学生活科学部卒業。同年アンダーソン・毛利・友常法律事務所入所。ファイナンス・パラリーガル職を3年半経験した後、米国公認会計士(CPA)資格を得て、2010年PwC(プライスウォーターハウスクーパース)のあらた監査法人に転職。リスク・コントロール・ソリューション部で不動産地域開発や都市構想のコンサルティング業務に従事している。

国、業界、企業などの境界が薄れグローバル化が進むにつれ、より一層、個人の特性や「自分らしさ」が求められる時代がきた。決められたレールの上を走るのではなく、自分の意志と責任で、限りない可能性に挑戦する若い世代が増えている。今回は、そんな一人福田愛奈さんを、東京湾を見下ろす汐留のオフィスに訪ねた。

ユニークな自分を大切に

「お茶大は楽しかった!」と笑顔で語る福田愛奈さん。銀行員だった父親の赴任に伴い、4歳から11歳までをカリフォルニア州ロスアルトス市などで過ごした。小学校6年を迎える直前に帰国し、埼玉県の学校に転入する。ベンチャースピリット発祥の地シリコンバレーで育ち、「人と違うことがカッコイイ」と教えられてきた福田さんにとって、新しい日本の境遇は何もかもが逆で、大きな違和感を覚えた。帰国子女を受け入れている私立の中高一貫校でも馴染めず、もやもやとした日々を過ごす。大学は「周りの人と違う所に行こう」と決めていた福田さんは、お茶大の「生活社会科学講座」に興味を持ち、自己推薦枠で進学を決めた。「社会経済問題を幅広い視点から学ぶ講座でまず視野を広げ、3年目から選択肢を絞っていける点が自分にはぴったりでした」。福田さんの学生生活はここから俄然楽しくなっていく。大学で合気道を始め、主将をつとめる一方、日米学生会議の実行委員としてフォーラムなどの企画運営に飛び回った。ゼミでは先生と友人に恵まれた。

退路を断って道をひらく

福田さんは、明確なキャリアプランをたて着々と実行してきたというよりは、仕事をしながら自分がしたいことを見つけ可能性を広げてきた人だ。卒業後、業界大手の「アンダーソン・毛利・友常法律事務所」に入社したのも、専門性を身につけて自分の看板で生きられるようになりたいと思ったからだ。3年半にわたり、「ファイナンス・パラリーガル」職で、企業のファイナンス案件のリサーチや法的事務手続きに従事し法律の知識を深めた。企業の財務諸表に触れる過程で、「こんなに情報が開示されているのに、理解できない部分が多くては勿体ない」と思うようになる。そして、米国公認会計士(CPA)の資格取得を思い立ち、働きながら勉強を始めた。全4科目のうち2科目は受かったが、残り2科目がすんなり行かない。折しも転職活動中で現在勤める会社とは折衝半ばだった。「こうなれば、短期決戦の構えで背水の陣を敷くしかない」と、先も決まらない状況下で退職し、2カ月後の海外での受験に向けて集中する。結果は見事、難関のCPA合格。転職も同時に果たし、2010年、世界4大会計事務所の一つであるPwC(プライスウォーターハウスクーパース)で第2のキャリアをスタートさせた。

強みをいかして可能性をひろげる

現在、福田さんはPwCのメンバーファームであるあらた監査法人に籍を置き、日本企業が海外でまちづくりをする開発事業を支援するコンサルティングの仕事をしている。PwCのグローバルネットワークを活用し、最適な国・地域の提案から現地のパートナー探しを含む事業構想から運営まで、多岐にわたる業務を7人のチームで遂行している。27歳の福田さんは最年少だ。男女の差はないが、それだけ、個人のプロフェッショナルとしての力量が問われる厳しい世界でもある。「自分の強みは英語力と国際感覚。これからはクライアントの財務分析や資金調達方法の理解を更に深めたい」と、福田さんは明快にさらっと答える。スキルを上げ、顧客に、また会社とチームに貢献することで、自分の可能性をひろげようと意欲的だ。大学時代、就職活動ではむしろ「勝ち組」ではなく、周りの人が4月に次々と内定をとっていくなか、多くの企業がエントリーを締め切っていた5月のGWにエントリーシートをゼロから書き直した。その時の経験からも「思った通りにならない時にこそ、チャンスが潜んでいる。自分の発想では思いつかないような面白い出会いや展開があるかもしれない」と、後輩にアドバイスをおくる。  座右の銘は「日々感謝」。家族、友人、恋人、仕事を通して出会う人々に恵まれ支えられていることをいつも感謝している。
文責:坪田秀子(学長特命補佐)

わたしのオフタイム

週日は仕事に専念し、休日は、のんびり過ごしたり、大切な友人と食事やおしゃべりをめいっぱい楽しむ。土曜の朝は、お茶大の体育館で合気道の練習に励むことも。
最大の気分転換は旅行。海外の友人とは第三国で合流というパターンが多い。今年はマレーシアに集合し、ダイビングや登山を満喫した。

ページの先頭へ