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清水智子 Tomoko K. Shimizu

国立研究開発法人物質・材料研究機構
先端材料解析研究拠点 ナノメカニクスグループ
主任研究員
専門:表面科学

2002年 慶應義塾大学 理工学部 物理情報工学科 卒業
2004年 カリフォルニア大学バークレー校 物質科学・材料工学専攻 M.S.
2007年 カリフォルニア大学バークレー校 物質科学・材料工専攻 Ph.D.
2007年-2010年 理化学研究所 川合表面化学研究室 研究員
2010年-2013年 理化学研究所 Kim表面界面科学研究室 研究員
2013年- 現職
2014年-2018年 科学技術振興機構(JST)さきがけ研究者

現在の研究テーマを教えてください

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物質の表面にある原子や分子を一つずつ観察できる走査プローブ顕微鏡という実験装置を製作し、それを使って色々な材料表面の構造や物性を評価する実験屋です。中学や高校で、物質は原子や分子から成ると習いますが、実際に周期的に並ぶ原子や吸着した分子の構造を見ています。電気伝導や分子振動、単原子に働く力なども測定できます。省エネや環境問題解決につながる材料を作るために必要な計測技術を発展させる仕事です。

いつ頃どのようなきっかけで研究者を目指しましたか?

小学校の時から理科が大好きで、分野は決めていなかったものの中3ですでに博士号を取りたいと思っていました。子供の頃は、漫画ドラゴンボールに出てくるブルマというエンジニアの女の子と、若田宇宙飛行士に憧れていました。大学では物性物理を学び、ある先生にアメリカの大学院に進学する道を勧めていただきました。研究者として生きていこうと決断できたのは、アメリカで世界トップレベルの研究者と過ごせた環境のお陰です。

どんなときに研究者としてのやりがいを感じますか?

なかなか上手くいかず試行錯誤を繰り返した末にものすごく良いデータが得られたとき、自分で思いついた研究テーマについての論文がアクセプトされたとき、緊張して臨んだ学会発表の後に「Great talk!」と声をかけられたとき、など、色々な時に感じます。研究費が獲得できた時も、自分の研究は世の中に必要とされているんだ、と感じます。最近では、私が科学者であることを娘が理解し応援してくれているので、ますますやる気が出ています。

後輩たちへの応援メッセージ

私は大学・大学院・ポスドク時代に、憧れまたは尊敬できる女性研究者に5人も出会いました。その方々をロールモデルとして捉えたというより、色々な生き方があることを学び、自分のやり方で進めば良いと気付きました。誰かの真似をしても上手くいきませんし楽しくありません。自分で考え、自分にとって最良の方法で将来を切り拓いて下さい。世界を引っ張る女性リーダーが日本から多く生まれるよう、若い皆さんに期待しています。