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2026年7月12日(土)に、第1回理工系模擬講義 大学の授業をのぞいてみよう!「情報科学の時間・生物学の時間」を開催しました。会場には多くの小6〜高3女子生徒と保護者が集まり、大学の授業を体験しました。1時間目「情報科学の時間」を情報科学科准教授五十嵐悠紀先生が、2時間目「生物学の時間」を生物学科教授植村知博先生が担当しました。

1時間目「情報科学の時間」

1時間目「情報科学の時間」では、「手芸に隠れた数学や情報科学を探る」と題して講義が行われました。五十嵐先生は本学の卒業生で、コンピュータグラフィックスやユーザインタフェースがご専門。今回の講義では、特にコンピュータを用いた手芸設計ソフトの研究について話してくださいました。

最初の話題は型紙のデザインをするソフトの開発や利用についてでした。先生が作られたソフトはコンピュータグラフィックスによって形を作り、縫い合わせる前の状態を結果として表示することで、型紙をデザインします。ソフトを用いてデザインした型紙で作ったバルーンを壇上で膨らませると、会場から拍手が起こりました。このソフトでは、コンピュータ内で計算をし直してより良い答えを探す「シミュレーション」や三角形の集合を基礎とした三次元モデルが使われており、数学的な知見が基礎となっています。

次に話題となったのは、ビーズ工作をデザインする「Beadyシステム」です。このソフトには、一筆書きできるかどうかを計算するオイラーグラフや三次元モデルからのメッシュリダクションといった数学・情報科学の知識をもとに作られました。特にメッシュリダクションでは、立体の面と頂点を入れ替える「双対の関係」を利用することで、デザインをより綺麗に表現しているそうです。

五十嵐先生は、身の回りの様々なものや事柄を、制約がある中でのコンピュータグラフィックス・ユーザインタフェースと捉え直すことで、情報科学による課題の解決に取り組んでいらっしゃるといいます。「情報科学は様々な分野と相性が良いです。ぜひ自分が解決したい!という分野・研究・モノ・コトを見つけてください」という言葉で講義を締め括られました。

2時間目「生物学の時間」

2時間目「生物学の時間」では、「植物の細胞内はダイナミックに動いている」という題で講義が行われました。講義の冒頭に植村先生は、植物は身近で当たり前に存在しているため生き物として意識されることが少ないことについて話されました。植村先生ご自身も大学で研究室に入って植物の研究テーマをもらうまで、植物はつまらなそうだと思っていたそうです。

実際には、植物細胞は動物細胞を圧倒する力を持っています。例えば、植物細胞は動物細胞に比べて分化した後も高い全能性を維持します。そのため、個体としても高い再生能力を持ち、接木や挿し木によって増えることができます。また、植物は一見動いていないように見えますが、よく観察すると非常に多様な動きをしています。講義では、花粉管が胚珠に狙いを定めて伸びていく様子や根が伸びる際に根冠が剥がれ落ちる様子、植物を倒した際に重力に応答して起き上がる様子など、植物がダイナミックに動く様子が動画で紹介されました。これらの植物の動きは、細胞内で様々な働きが行われることによって起こっているといいます。

植村先生は顕微鏡を使って植物細胞を観察して研究を進めています。特に共焦点レーザー顕微鏡を用いて、生きた細胞を観察することで細胞内の働きを明らかにしています。講義では、顕微鏡や蛍光タンパク質といった研究に使うツールや、その開発の歴史についても教えていただきました。講義後の質疑応答では、参加者から多くの質問が寄せられました。

懇談会

講義の後には、講義をしてくださった五十嵐先生、植村先生と参加者による懇談会が行われました。参加した女子生徒らからは、女子大の環境や理系に進んでよかったことについて質問があったほか、研究がうまくいかない時についても知りたいという声がありました。先生がたからは、生物学も情報科学もまだ学問として進化している最中であり、失敗や時間がかかることも多い一方で新しいことを見つける楽しさがあるという回答がありました。また、保護者からは進路の決め方や大学の様子について質問が多くありました。先生がたは実際に大学で教壇に立つ教員ならではの視点で質問に答えてくださいました。これから進路決定をしていく生徒たちにとって、大学の様子や研究者のキャリアについて学ぶ貴重な機会となりました。