0

2025年2月11日(火)に、「第4回 女子中高生向けリーダーシップセミナー リケジョ・イノベーション ~理系女性起業家が語る、リケジョの可能性~」を開催いたしました。
オンライン開催で、全国各地から沢山の方々にご参加いただきました。今回のイベントでは、中高生の皆さんに、正解のない未来に挑むチャレンジ精神や、理系女性の幅広いキャリアの可能性を実感していただくことを目的としております。モデレーターは株式会社コラボラボ(女性社長.net企画運営)代表取締役の横田響子様が務めました。

ゲスト トークセッション

一人目のゲストは、西原 麻友子様(株式会社ベホマル 代表取締役)です。
西原様はご両親が日本画家で、幼い頃から自然を一緒にスケッチすることが多かったそうです。また、ドキュメンタリー番組を通じても自然科学に興味を抱き、環境系を進学先に決められました。
大学院で学ばれたのちに、大手電子部品メーカーへ就職して15年ほど勤められました。材料開発や故障解析技術を主に担当されていました。しかし思うように企画が通らず、人間関係に悩んだこともあり、退職を決意しました。
退職後にはMPDを取得できる大学院に行き、アイデアや熱意を形にする経営知識を学びました。そして何がしたいかを考えた時に思い浮かんだのが、幼少期に自身が親しんだ自然を、自分の息子にも残していきたいということだったといいます。それを実現するにあたって注目したのが、企業にいたときには企画化を断念したCO2吸収剤でした。
大学院在学中に何事も小さな一歩からと、一人きりで自宅の和室で始めた研究が、株式会社になって、今では仲間と共に取り組まれています。極小の孔にCO2を閉じ込める樹脂をインクやアクセサリーなど身近なものに用いた製品を開発されており、日常生活で環境に貢献できるような、まさに「塵も積もれば」の戦法で環境問題に立ち向かおうとされています。
西原様は、ご自身の強みは掛け算で構成されていると考えられています。「女性起業家×リケジョ×環境分野で起業×製造業で起業、という一つの要素をとっても珍しい要素を組み合わせているのは私だけです。自分にしかできない組み合わせで、自分の道は自分で切り開くという意識が大事です。」と締めくくられていました。


二人目のゲストは、佐藤 陽子様(株式会社日光電機 代表取締役)です。
高校生の時には親から文系を勧められていたという佐藤様ですが、食べ物を分析する仕事に抱いていた憧れを貫き通し農学部に進まれました。大学にて農学を学んだのち、16年ほど日本食品分析センターで勤務されていましたが、子育てとの両立に困難を感じて、2017年に日光電機に転職されました。建設業はガテン系の男性職場のイメージがあったものの、入社してみると女性も活躍できる、やりがいのある楽しい職場だったといいます。
2018年に事業継承を受けて、現在は代表取締役として現場管理や予算管理、社外とのやりとり、図面作成など、中小企業であるためマルチに色々な仕事をする日々を送っています。
近年では従業員の被災をきっかけに地域インフラにおいて自社が防災拠点として何をできるか、という課題に取り組まれています。日本にある企業のほとんどが中小企業であるため、地域にある企業が災害時に連携して住民に貢献するべきだと考えて、姉妹企業と提携して防災拠点を全国に作ることを目指しています。また、企業防災と個人防災における診断リストとして「防災健康診断」の考案、河川の氾濫や防犯に活用できるソーラーエネルギーの防犯カメラの発売、電気関連の防災グッズの販売をされています。
最後に、中高生の皆さんへ激励の言葉をいただきました。「周囲の意見を聞くことも大事ですが、意見を参考にしつつも、自分の人生なので自分で考えて選択するべきです。夢を描いて可能性を大きく広げてチャレンジしてみてください」

パネルディスカッション

パネルディスカッションでは、オンライン上で寄せられた参加者からの質問に、ゲストのお二方およびモデレーターの横田様にお答えいただきました。発言やチャットを通じて、参加者とゲストの間で活発なやり取りが行われました。ディスカッションの一部をご紹介します。

・数学や理科が苦手でも、憧れだけで理系進学をしてもいいですか?入学後に、それでもついていけますか?

―苦手でも大丈夫だと思います。私も農学部に憧れたのは、家庭教師の方が農学部の出身で食べ物の成分を分析するという話を聞いて、私もホットケーキミックスの粉の分析をしてみたいと思ったことがきっかけでした。

―入学後は競争というよりも協力することが多くて、生徒同士でノートや過去問をやりとりして助け合っていました。試験も教科書持ち込み可の場合があるので、大学受験の暗記とはまた方向性が違うので、受験での苦手を気にすることはないと思います。

・高校生のうちに身につけておくと良いスキルや頑張っておいた方がいいことはありますか?

―資格などはいつから身につけても遅くないと思います。私の場合は日光電機に転職して、30代後半になってから電気系の資格を取得しました。今、目の前にあることを一生懸命頑張ることが大事だと思います。

―スキルなどは必要になった時に取得すれば良いと思います。今すべきことに全力を尽くしてください。

・起業や新しいことを始めるのは勇気がいると思うのですが、そのようなことに積極的になるためのアドバイスはありますか?

―とりあえず行動してみないことには何も始まらないので、失敗は成功の元だと思って、勇気を出して一歩でも半歩でも踏み出すことが大事です。

―起業を含めて新しいことをするには勇気が要りますが、たとえ失敗してしまったとしても経験を得られることを考えると、何もしないことのリスクの方が高いと思います。私の場合はロジカルに考えてどちらが得か、後悔しないかを考えて行動するようにしています。