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2025年11月23日(日)に「第1回 中高生のためのエンジニアリングセミナー」を開催いたしました。本セミナーは、公益社団法人日本技術士会の後援をいただきました。

 

はじめに、横河電機株式会社 技術士(経営工学部門)の沼澤朋子様から「技術士とは何か」についてお話がありました。技術士とは、高度な技術と高い技術者倫理を兼ね備えた技術者で、国家資格を取得する必要があります。全部で21あるという技術部門で科学技術に関するほぼすべての分野をカバーしているそうです。技術士の仕事について、日本のものづくりを支え、安全性、品質、持続可能性のそれぞれのバランスを保ちながら活動している専門性の高い職業である、ということを分かりやすく説明してくださいました。

 

1時間目の講演「“建てる”だけじゃない!未来のまちをデザインする仕事」では、パシフィックコンサルタンツ株式会社 技術士補(建築部門)の河内あゆをお迎えしました。
河内様の会社が行われている事業についての紹介や、河内様が建築の分野に進まれたきっかけ、建築コンサルタントの役割や仕事についてのお話がありました。紹介された事業の一つである渋谷の再開発に関しては、個々の建築の設計だけではなく建物同士の連携、アクセスなど様々な要素が重要であり、プロジェクト同士の連携が大切である、と話されました。他にも東日本大震災の復興事業などにも携わっておられるということでした。また、専門分野を共通言語とすることで様々な人と関わることができる、という「理系の良さ」についても述べられました。

 

2時間目の講演「理系の道を歩む〜下水道へのワクワクから得た人生のヒント〜」では、横河ソリューションサービス株式会社 技術士(上下水道部門)の川田美香様をお迎えしました。川田様が理系への進学や技術士を目指された経緯から、今まで行われてきた下水処理、水環境向上に関する研究内容についてのお話を伺いました。「温暖化(環境問題)対策に貢献できる仕事がしたい」という信念のもと、横河電機から横河ソリューションサービスへの転籍を経て、水処理に関わる研究を続けられているということでした。

 

3時間目には、生徒は講師の方々への質疑や先の講義内容を踏まえたディスカッション、保護者の方は大学教員との懇談会を行い、いずれも活発なやり取りが行われました。建築系の分野を目指す生徒から進路についてなどの質問が多数挙がり、講師の方々はご自身の経験やお茶の水女子大学の理系学科についてのお話も交えつつ、丁寧に質問に応じてくださいました。

 

今回のセミナーが、技術士の仕事について理解を深め、日頃の私たちの生活を支えている様々な技術について考えるきっかけとなれば幸いです。