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株式会社JERAとお茶の水女子大学理系女性育成啓発研究所が主催する『エネルギーから読み解く SDGsを考えるプログラム』(JST「女子中高生の理系進路選択支援プログラム:理系フロントランナーシーズ発掘・育成・強化プログラム」(お茶の水女子大学))が開催され、川崎火力発電所を訪問しました。川崎火力発電所は、JERAが運営する火力発電所のひとつで、川崎駅から車で30分ほどのところに位置する都市型火力発電所です。

まず初めに、JERAのことについて学びました。JERAは日本最大級の発電会社で、電力を安定供給することで、人々の生活や企業活動を支えていることを学びました。また、LNG(液化天然ガス)と呼ばれる燃料は、燃やしても煤塵(ばいじん)が出にくいクリーンな燃料で、JERAはLNGを使い、さらに、効率の良い発電システムを採用することで、脱炭素に貢献する取り組みを行なっていることを知りました。

 

続いて、川崎火力発電所で働いている方に施設のなかを案内してもらい、実際に電気を作る様子を見学しました。More advanced combined cycle(通称MACC)と、MACCII呼ばれる機械は、ガスタービンと蒸気タービンを組み合わせることで、LNGをはじめとした燃料を効率よく(無駄なく)電力に変換する設備で、これらが稼働する様子を間近で見ることができました。また、工場の緑地化の取り組みや、環境に配慮した排気システムについて説明を受けました。

 

午後は、日本の電力をテーマに、課題解決方法を考えることを目的とし、異なる高校の生徒で班をつくり、グループディスカッションを行いました。議論のテーマは、『日本の電力は、2050年までに再生可能エネルギーにすべきである』でした。それぞれの班で議論し、すべきか、すべきでないかについて結論を出し、その理由についてプレゼンテーションを行いました。

班員を半分に分け、それぞれ異なる立場に立って意見をぶつけながら議論を進める班や、再生可能エネルギーやその他の発電方法の課題点を挙げながら解決方法を考える班などがあり、それぞれの班が多様なアプローチで議論を進めていました。JERAの社員の方も議論をサポートしてくださいました。

発表では、現在のエネルギー問題について、例えば、効率のよい蓄電池の開発など、科学技術の発展が解決策になるというものや、他の発電方法を模索するイノベーションのシーズになるようなアイディア、現在のエネルギー問題を解決することで他の社会課題が生まれるのではないかという懸念について述べられました。難しく、答えのないテーマでしたが、他校の同年代の生徒と議論できたことが大きな刺激になりました。

 

最後に、グループディスカッションの講評をいただき、脱炭素社会の実現を目指してJERAが取り組む新しい技術開発に取り組みについて説明を受けました。

 

このプログラムを通じて、「実物」を見ることで、エネルギーに関する正しい知識を得、社会課題についてみんなで議論しました。そして、このような経験をもとに、今後、具体的な行動を起こすことで課題を解決へと導くことが大切であることを学びました。