2023年12月10日(日)に株式会社JERAとお茶の水女子大学理系女性育成啓発研究所が主催する「エネルギーから読み解くSDGsを考えるプログラム」(JST「女子中高生の理系進路選択支援プログラム:理系フロントランナー・シーズ発掘・育成・強化プログラム(お茶の水女子大学)」)を開催しました。
JERAのスタッフの自己紹介の後, JERAについて,日本で一番大きいエネルギー生産会社であり,2050年に二酸化炭素の排出をゼロにする目標を掲げていることが紹介されました。参加者は,女子中高生と保護者に分かれて,ディスカッショングループを作りました。グループ内での自己紹介とグループメンバーの共通点を探すワークを行なうと,緊張も解かれて話し合える雰囲気ができました。
SDGsについて考えるワークでは,まずSDGsの17の目標について学びました。そして,日本が行なっている取り組みの6つの事例の内容が,17のSDGsの目標のどれと関連しているか,そのように考えた理由と合わせてディスカッションするワークを行いました。具体的には,「脱炭素社会をさせる資源循環システム構築実証事業」,「里地里山の自然を活用した分散型社会の拠点づくりの推進」「なでしこ銘柄」,「国連児童基金を通じた支援」「食育の推進」「船舶からの温室効果ガス排出ゼロの実現に向けた国際戦略の推進」という事例に対し,関連するSDGsの目標を考える作業をまず個人で行いました。その後,各事例について,グループ内で一人ずつ発表し,グループの考えと政府の考えを比較しました。この一連のワークを通して,同じ事業であっても,人によって関連させる SDGsが異なることや,政府がどのようにSDGsを達成しようとしているかを,学ぶことができました。
次に,SDGs達成に向けて「自分自身が今から実践すること」と「2030年までにやってみたいこと」を考えて,グループ内発表を行いました。参加者からは,資源の無駄を減らして自然環境に配慮したい,生物の知識を得て生物と環境の保全をしたい,固定概念に囚われないようしたいというような発言がありました。
最後に,J E R AでのSDGsへの取り組みが紹介されました。エネルギー問題については,再生可能エネルギーと二酸化炭素を排出しない安定的な火力発電(アンモニアと水素の混焼)で相互に補完する新しい発電方法に徐々に移行していく計画が紹介されました。さらに,火力発電所の建て換えや運転に際してハヤブサの生息環境の保全に配慮していること,様々な人や考えをとり入れるために女性社員比率を高める人材育成や働き方改革を積極的に実施していること,国内外の地域社会との共生の取り組みなど,発電を通じてアジア全体の発展に貢献するミッションが紹介されました。
今日のワーク全体を通して,社会の課題の一つ一つが,いろいろな問題につながっている事が実感できたのではないでしょうか。その様々な問題がSDGsであり,その繋がりを想像し,自分の事として行動することがとても大事であることを学ぶことができました。(文:近藤)