今泉修准教授が身体運動と時間知覚に関する国際共同研究の成果をCollabra: Psychology誌に発表しました

今泉修准教授が,University of SussexのAnil Seth教授,Giuseppe Lai博士および北海道大学の鈴木啓介准教授と取り組んだ研究成果をまとめた論文が,Collabra: Psychology誌に掲載されました。論文はこちらから無料でダウンロードしていただけます。

書誌情報
Imaizumi, S., Lai, G., Seth, A. K., & Suzuki, K. (2026). Sensorimotor coupling modulates perceived time and agency across visual perspectives. Collabra: Psychology, 12(1), 164266. https://doi.org/10.1525/collabra.164266

研究概要
自分の意思で身体を動かすときには,「私がこの動作を引き起こしている」という主体感や,時間の長さの感じ方の変化が伴うことが知られています。本研究では,バーチャルリアリティを用いた4つの実験を行い,手を動かす際に,自分の動きと目に見える動きがどの程度一致しているか,また,どの視点から手の動きを見るかによって,時間の感じ方と主体感がどのように変化するかを調べました。
実験の結果,自分の動きと一致した仮想の手の映像が示されると,映像が遅れて示される場合や,他者の動きを事前に記録した映像を見る場合に比べて,動作中の時間が長く感じられやすいことがわかりました(実験1)。これは,身体運動それ自体が時間を短く感じさせる効果が,動きと映像の一致によって弱まったことを示唆します(実験2)。また,この一致は主体感にも影響しており,時間の長さの感じ方と主体感の両方を支える共通の仕組みである可能性があります。
こうした影響は,一人称視点と三人称視点のどちらでも同様にみられました。また,仮想の手を通常の身体とは異なる配置にした場合(実験3)や,自分の身体とは関係のない物体に注意を向けた場合(実験4)にも確認されました。これらの結果は,自分の動作によって生じる視覚的な変化だけでなく,他者の反応や外界の変化を予測する際にも,共通の仕組みが働くことを示唆します。本研究の知見は,私たちが自分の意思で行動するときに,時間の流れや主体感をどのように経験するのかを理解するための新たな手がかりを提供します。

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