2019年8月21日(水)に第5回先端科学セミナーをお茶の水女子大学で開催しました。今回のテーマは「光合成を行う植物の葉緑体を理解する」で、本学理学部生物学科の加藤美砂子教授が講師を務めました。
植物の細胞の特徴や葉緑体に関する講義の後に、単細胞緑藻クラミドモナスの葉緑体を蛍光顕微鏡で観察しました。その後、メインイベントであるホウレンソウからの葉緑体の単離に挑みました。常に低い温度に保たれている低温室の中で、浸透圧を調整した緩衝液中でホウレンソウを破砕しました。そして、すぐに遠心分離をして葉緑体を沈殿させました。得られた葉緑体の懸濁液を、さらに密度勾配遠心分離によって分画しました。単離した葉緑体を蛍光顕微鏡で観察し、クロロフィルの自家蛍光を観察しました。「葉緑体」という言葉は理科の教科書にはよく出てきますが、葉緑体を実際に取り出す実験を行うことにより、葉緑体により興味を持つことができました。また、葉緑体には光合成以外の役割がたくさんあることを知り、植物細胞の中の葉緑体の重要性について再認識しました。
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