中学生・高校生向け数学副教材「ひろがる数学の世界」を発行いたしました。
お茶の水女子大学・奈良女子大学理系女性教育開発共同機構の合同執筆です。
中学校や高等学校の授業では取り扱わないけれど、現在の社会生活を支えている数学の世界や、学んだことの先にひろがる数学の世界を知ることが出来ます。
「はじめに」から
みなさんは、数学は授業で学んでいますが、そこでは学ばない新しい数学や数学の広がりを実感できる数学の世界もあります。本書では、数学を楽しめる副教材の作成を試みました。
この冊子は、4 章で構成し、第 1 章・第 2 章は中学生が理解でき、コンピュータサイエンスへつながるような内容です。後半の第 3 章・第 4 章は高校で学ぶ内容を広い視点から扱い、中学生でも理解できるような内容です。最後は、現代の数学の見方・考え方について知ることができ、その広がりを実感できると思います。
各章の内容の概要を示します。
○第 1 章 0と 1 の世界
デジタルコンピュータの計算方法を理解するために、二進法・二進数について考えます。
○第 2 章 点と線でできるグラフ
関数などで学習するグラフではなく、点と線で構成される離散グラフについて考えます。数式などを用いずに具体的な図で考察し、人間関係などもグラフに表すことができることを知り、身近な場面で数学的な見方・考え方が用いられていることを知ることができます。
○第 3 章 2次方程式の解について
中学校で学習する2次方程式の解を虚数まで広げ、その意味などを扱います。数を複素平面上で表すことで見えてくる性質や意味について考えます。
○第 4 章 ことばの大切さ・ひろがる数学
普段何気なく使っている表現について数学的な視点から考察します。章の後半は、さらにひろがる数学の世界を知ることになります。大学における数学研究や、結び目理論への位相幾何学の考え方を通して、数学そのものが持っている面白さを感じてください。
本書を読んで授業で学んでいる数学との関連や違い、広がりを知ってさらに自分で探究してもらえることを願っています。
奈良女子大学理系女性教育開発共同機構 船越 紫
お茶の水女子大学理系女性教育開発共同機構 加々美勝久
本冊子は無料で配布しております。
ocha-cos-office@cc.ocha.ac.jp
まで、メールでご連絡ください。
お茶の水女子大学理系女性共同機構