2019年8月25日(日)お茶の水女子大学・奈良女子大学理系女性教育開発機構合同主催シンポジウム2019を開催いたしました。「女子中高生の理系への進学支援」をテーマに教育関係者を中心にご参加いただきました。
奈良女子大学理事・副学長小路田泰直機構長の開会挨拶に続き、3名の講師の方にご講演をいただきました。お茶の水女子大学附属高等学校教諭溝口恵様からは、中等教育の現場から指導の実際について。お茶の水女子大学基幹研究院自然科学系教授千葉和義様からは、スーパーサイエンスハイスクール事業における支援プログラムについて。奈良女子大学小路田泰直様からは、文理融合の時代について。それぞれお話しいただきました。
パネルディスカッションでは、お茶の水女子大学附属中学校教諭薗部幸枝様にファシリテーターとして進行していただきました。
閉会の挨拶はお茶の水女子大学副学長・教授加藤美砂子副機構長が行いました。
当日配付資料:シンポジウム2019資料集。これまで開催の機構シンポジウムの記録ブックレット4冊。座談会2016「女子生徒の特性を生かした中学・高校の理科等の授業とは」の記録ブックレット。中高生向け研究テーマ紹介集5冊。「理系から広がる世界 社会で活躍する先輩達」2018,2019
配付資料の資料集以外は、無料で配布しております。メール等でご連絡ください。
開会挨拶:小路田泰直機構長
挨拶の中で、両大学での共同機構発足当初の理念や、想いを語っていただきました。
講演の部
溝口恵様 お茶の水女子大学附属高等学校教諭 理科・化学 教務主任
「高校現場から見えてくること」
附属高校の理数教育についてこれまでも高大連携プログラムの一環として総合的な探究の時間を設定してきた実践と、SGH(スーパーグローバルハイスクール)指定校としての取組んだ成果、SSH(スーバーサイエンスハイスクール)指定校としてスタートに当たっての方向性などについてお話しいただき、後半は生徒のアンケート調査から見えることや進学支援について言えるキーワードについてもお話しいただきました。
千葉和義様 お茶の水女子大学基幹研究院自然科学系教授
「スーパーサイエンスハイスクール女子生徒への課題研究支援プログラム」
ご講演に先立って参加者に「KODAMA SYSTEM(コダマシステム)」をご紹介いただき、講演者と双方向で進められるシステムを利用しながらお話を進めていただきました。授業でもアクティブラーニングの実現に活用できるようです。実際に参加者からの質問に回答しながらご講演をいただきました。
本学が平成24年から行っている理数応援プロジェクトSSH活動サポート企画からスタートし、SSH指定女子高校(6校)研究交流会へ、さらに今年度は対象を拡大し7校による研究交流会へと継続的に支援を行ってきている。そこでの実習や指導の具体的な内容および参加生徒の感想・要望なども提示いただきました。
小路田泰直様 奈良女子大学理事・副学長
「文・理が融合する新しい時代へ」
歴史を専門とする立場から、考えて見た。文系理系に分けることは効率的に受験を乗り切る手段になっている。明治期以降における日本の高等教育のあり方を巡っての話題。教養教育の重要性。今の日本の置かれている課題を解決するためにはオリジナリティーが求められている。この状況で文・理に分けることは求められていないのではないか。他問自答から自問自答への転換が必要。大学の教員の考え方が遅れていると思われる。
等々刺激的な考え方をお話しいただきました。
パネルディスカッション
まず講演時の補足についてお話しいただき、参加者からの質問に丁寧に回答いただき、活発なディスカッションが行われました。
ここでもKODAMA SYSTEMを活用し利用の可能性を知ることができました。
閉会挨拶:加藤美砂子副機構長
難しい社会を乗り越えられる力を持った人材を育てるために、気概を持って力を合わせていきたいとの想いを述べられ閉会となりました。