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教育現場の先生方から、「オオカナダモの葉を使った光合成実験(ヨウ素デンプン反応)が、なかなか成功しない」と伺うことが、これまで多くありました。そこで、かなり高い確率で成功する実験方法の研究・開発を進めました。
本実験装置では、一晩、オオカナダモの葉に最も強い光を当てると、十分な量のデンプンが葉で合成されます。また、前日に実験準備を忘れた場合にも、最も強い光を葉に近い距離から1時間程度当てれば、十分な量のデンプンが葉で合成されます。
忙しい中学校の先生方にも、実験前日の夕方に装置をセットすれば、当日の午前中に実験ができます。また、もし前日の準備を忘れても、授業開始までに1時間程度あれば、実験・観察を成立させることができます。
更に、発展的内容として、「光の強さ」と「合成されるデンプンの量」との関係を考えさせる実験も可能です。本実験装置では、光の強さを、照明装置そのものでも4段階に変化させることができます。また、照明装置と葉の間の距離を簡単に変えられますので、任意の強さの光を設定できます。
ご希望の学校には実験装置を無償で貸し出しいたします。下の写真のように梱包して、皆さんのお手元にお届けします。同梱する「実験解説ブックレット」(本キットをご使用頂いた先生方に差し上げます)もご参照ください。なお、ご使用いただいた先生方には、簡単なアンケートにご協力いただいております。何卒よろしくお願い申し上げます。

お申し込み方法

下にあります「実習キット借用申込書」にご記入の上、メールに添付して下記アドレス(理系女性育成啓発研究所事務局)までお送りください。メールの件名は「借用申し込み:光合成キット」としてください。
ocha-cos-office@cc.ocha.ac.jp

実習キット借用申込書(PDF)
実習キット借用申込書(Word版)

実験方法

  1. 実験・観察の前々日に、オオカナダモの葉を数枚入れたペトリ皿を2皿用意して、暗所(机の引き出しの中等)に一晩(16~20時間程度)置く。
  2. 実験・観察の前日、一方のオオカナダモの葉を数枚入れたペトリ皿を装置の白い台の上に置く
  3. 高さ30㎝の位置から光(強さ100%)を当てて、一晩(16~20時間程度)置く。
  4. 他方のオオカナダモの葉を数枚入れたペトリ皿は、引き続き、暗所に置く。→ 授業当日、各教科書の方法に従って、葉緑体の観察や、ヨウ素デンプン反応実験を行う。
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    オオカナダモの先端の葉を取る

     

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    オオカナダモの葉をペトリ皿(シャーレ)に入れる

     

セットアップした実験装置全体の様子
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    照明装置を高さ30cmの位置に固定

     

  • image01

    照明装置を高さ5cmの位置に固定

     

照明(LED光)の強さ:照明装置の高さ30cmの例
100%
50%
10%
2.5%
結果の一例:基礎的内容

実験条件
照明と葉の距離:30cm 光を当てた時間:16.5-20時間 光の強さ:0%(暗所), 100%

ヨウ素デンプン反応の結果
左:葉の先端部  右:先端部の拡大

光の強さ:100%

光の強さ:0%(暗所)

結果の一例:発展的内容

実験条件①
照明と葉の距離:30cm 光を当てた時間:16.5-20時間 光の強さ:0, 2.5, 10, 50, 100%
左:葉の先端部  右:先端部の拡大

光の強さ:100%

光の強さ:50%

光の強さ:10%

光の強さ:2.5%

光の強さ:0%

実験条件②
照明と葉の距離:5cm 光を当てた時間:70分間 光の強さ:0, 2.5, 10, 50, 100%
左:葉の先端部  右:先端部の拡大

 

光の強さ:100%

光の強さ:50%

光の強さ:10%

光の強さ:2.5%

光の強さ:0%