平成29年12月16日(土)リケジョ-未来シンポジウム@Ibaraki「サイエンスの学びから将来の夢へ」を水戸市駿優会館で開催いたしました。学外での開催も4回目になります。
受付では、水戸観光コンベンション協会のご協力で水戸市マスコットキャラクターのみとちゃんが受付で、お出迎えしました。かわいらしいゆるキャラです。
ご講演は、日本原子力研究開発機構原賀智子様、コニカミノルタ株式会社平山奈津実様、ミュージアムパーク茨城県自然博物館鵜沢美穂子様にお願いいたしました。パネルディスカッションは茨城大学教育学部教授木村美智子様をファシリテーターに、ご講演いただいた3人の講師をパネリストとして行いました。
シンポジウム終了後には、リケジョ-未来シンポジウムの特徴である茶話会を開催いたしました。
第1部 講演の部
原賀智子様は「理系出身者がいっぱい-原子力分野の化学のしごと-」と題して、ご講演をいただきました。
勤務しながら学位を取得し、放射線各種の分析方法の開発を行っていること、原子力発電所の事故への対応の研究、原子力の平和利用として核開発の危険などへの対応、放射性廃棄物処理への対応などの研究を行っていることなど現在のお仕事のお話しも丁寧にしていただきました。
理系進学のきっかけは、高1の文理の選択時に先生の影響があったり、大学の学科決定も先生の薦めもあり化学科にしたとのことです。
就職してから、その研究範囲の広さを知り、 物理の知識、化学の知識、数学・情報、医学、機械・電気等々様々な知識を使う必要があるそうです。
研究成果を認めてもらうためには、専門家のチェックと論文の公表が必要であること、 特許出願は論文公表よりも早く行う必要があることなど厳しい現状についても知ることができました。
研究は 好きなことばかりやれるわけではないけれど、一部でも好きなことがあれば続けられるし、自分の気持ちに正直に、やりたいことにはとにかく挑戦をしてみることとメッセージをいただきました。
平山奈津実様は「理系に進んで今思うこと~将来の夢を大切に~」と題して、ご講演いただきました。
会社では化学系研究・開発職として勤めているとのこと。
まだ直接ものづくりに関係した職場には関わっていないが、酸化セリウム研磨剤のリサイクルに関わったのち、現在は大学研究室に受託研究員として所属し再生医療分野での新規技術開発を研究している。研究室で勉強しながら会社の仕事をしている
再生医療研究にはいろいろな技術を取り入れて進める必要がある。さまざまな企業が関わっている。知識も化学+αが必要である。化学は仕事の幅が広いと考えている。
進路選択は高1のおわりの頃だった。文理選択は、医療に興味を持っていたが、 化学は仕事の幅が広いとアドバイスをもらったこともきっかけ。
研究・開発職に就くには大学院での研究経験が必要だと感じたこと。 理系文系で迷うならば理系に進むことをお薦めしますとのことでした。
将来の夢を大切にし、 後悔しないよう挑戦をしてほしいとメッセージをいただきました。
鵜沢美穂子様は「コケの学芸員になるまで」と題して、ご講演いただきました。
博物館とはモノとヒトをつなぐ場所と考えている。学芸員とはその中で、モノを集め、保管し、研究し、ヒトに伝える仕事である。とのことです。
研究と伝えることの両方が出来る仕事として学芸員を目指したとのことです。
現在コケの採集と研究に関わっているが、 きっかけは幼少のころの自然や生き物に触れる生活体験にあるとのこと。
中高の頃は放送に関心も持っていたが、高校生の時にゼニゴケの大群落に遭遇したことが大きな転機だった。
他大学の公開実習などにも参加し、卒業研究のテーマもコケを選んだ。
お話しの中でも、本当にコケに愛を持って接して研究していることが伝わってきました。
写真が好きだったことや映像作品の製作に関わったことも現在の仕事を支えていると思っているそうです。
あきらめずアンテナを広く伸ばしていれば、自分に合った道にきっと進めるはずとメッセージをいただきました。
第2部パネルディスカッション
ファシリテーターの木村美智子様は、お茶の水女子大学家政学部(現生活科学部)で洗浄科学を研究されました。
ご自身の大学時代には色に関心があったが、やりたいことと研究にずれがあったとのことです。研究ではそのような場面もあるそうです。
パネリストの皆様がそのときには思っていなかったけれども現在の仕事につながっていることや、女性ならではの働き方や環境などさまざまな話題についてディスカッションされました。
茶話会の様子
全体で和やかに実施できました。