2022年度の徽音塾第15回目の講義は、前回に続き、専修大学商学部教授の鹿住倫世先生にご担当いただきました。

今回の講義のキーワードは、アントレプレナー(企業家・起業家)とアントレプレナーシップ。どちらも初めて聞く塾生が多かったようで、熱心にメモを取る様子が画面越しに見られました。アントレプレナーの語源はフランス語(Entrepreneur)で、リスクを取るという意味が含まれているそうです。アントレプレナーシップは企業家(起業家)活動のことで、精神的な意味だけではないと先生は教えてくださり、さらに持続的イノベーションとアントレプレナーシップについても触れてくださいました。

その後、エフェクチュエーションの動学モデルの説明へと講義は展開し、先生は、イノベーションの源泉となるビジョンに、「製品指向/技術指向」と「セグメント指向/問題指向」があると説明されました。同じビジョンであっても、さまざまな事業方法が考えられ、いずれにしても、あらかじめ明確な道筋を決めて実行するのではなく、顧客の声を聞きながら、柔軟に軌道修正できる組織であることが大切だそうです。学生による新規事業開発案の審査員も担当される鹿住先生ならではの視点で、若い世代がどのような視点でビジネスを考えているのかもご紹介してくださいました。

グループディスカッションでは、女性の課題とそれを解決するビジネスモデルについて話し合い、子育てや介護、職場での待遇をサポートできるようなビジネス案が挙がりました。先生からは、「ビジネスの観点で重要なのは、顧客セグメントにどういう価値や魅力を提供できるかということ。みなさん、それぞれの立場や職場で考えたことを実践していってほしい」とエールをいただきました。