2024年度の徽音塾第12回目の講義は、お茶の水女子大学 文理融合 AI・データサイエンスセンター准教授の藤山 真美子先生にご担当いただきました。

前半では、都市空間や建築空間が抱える「ブラックボックス」について考察が行われました。ここでは、これらの空間がどのように設計され、どのように機能しているかが、一般的には見えにくくなっている点が議論され、隠れた構造や社会的な影響について深掘りされました。

後半に移ると、まず「ジェンダードイノベーション」の視点から都市と建築空間についてご教示いただき、ジェンダーがどのように空間の設計や利用に影響を及ぼし、さらにその視点がイノベーションを生み出す可能性があるかについて話し合いました。

ディスカッションでは、都市空間と建築空間が、どのようにしてさまざまなステークホルダーの協力を得てより豊かな社会を作り上げていけるかという視点で議論を展開。

「劇場などの空間は、その使われ方次第で良い影響を与えることもあれば、悪い影響を及ぼすこともあります。たとえば、トイレやフィッティングルームについての質問が出ましたが、これも空間のあり方を考える一例です」と説明されました。トイレの様式については、かつては和式が主流でしたが、今では洋式への移行が進んでいます。高速道路のトイレのような最新の設備も増えてきました。「しかし、和式しか使えない方々のために、和式を完全に廃止するのではなく、残しておくことも大切」と先生はおっしゃいます。

最後に、「これらは簡単に答えが出る問題ではない。鋭い答えを出そうとするのではなく、常に多様な視点から考え続けることが重要だと思います」とお話しされ、塾生たちは多様な視点を持つことの重要性を学びました。