6月7日・14日 13:30-16:40
八代京子氏 (麗澤大学 名誉教授、株式会社海外放送センター顧問)
「多様性マネジメント ―シミュレーションを通して学ぶ―」
①6月7日 13:30~16:40 「自己気づき」
まず、ご自身の経験と研究の成果から、日本と海外との文化の相違や、言語コミュニケーションの多様性についてお話いただきました。
次に、自己のコミュニケーションのあり方について知るためのエクササイズを行いました。イラストを用いたシミュレーション「Back to Back」では、相手とのやり取りにおける“伝わっているはず”という思い込みや、言葉だけで正確に伝えることの難しさなどに気づくことができました。また、意思を伝達するには、あらゆる手段を用いる必要あることが分かりました。
また、2チームに分かれて行う「outside expert」というシミュレーションでは、自分が普段からどのようなパラダイムに囚われているのか、また、一方の反応によって他方の反応がどう変化するかを体験することができました。
塾生からは「コミュニケーションにはいろいろなアプローチが必要だとわかった」、「シミュレーションでは、あえて極端な状況・ルール・役割などに身を置くことで見えてくることがあり、実際の仕事でも参考になると思った」、「日頃身近であっても言語化されていないような課題が明確になった」といったリアクションがありました。
普段意識することのできない自己の認識の枠組みについて、また、それが相手に通じない場合はどういった姿勢を取るべきかを、あらためて考えさせられる講義となりました。
②6月14日 13:30~16:40 「他者気づき」「多様性対応」
「FIVE TRICKS」というトランプを用いたゲームでエクササイズを行い、言葉を発してはいけないという制限の中、異なるルールを持つ者同士で合意形成をしながら作業を進めていきました。ゲーム終了後には全員で振り返りを行い、このような場で自分はどのように振舞うのかについて考えて行きました。生産性を重視するか、コミュニケーションを重視するか、自分の心理を重視するかといったことも問題となりました。
さらに、エクササイズ終了後は、“普遍主義-個別主義”、“個人主義‐共同体主義”、“時間の感覚”など、様々な「文化の型」についてご講義いただきました。
塾生からは「シミュレーションを通じて、自分の特性を認識することができた」、「振り返りによって皆が考えていたことがオープンになり、興味深く思った」、「合意形成の際は、相手の価値観を変えるのではなく、それよりも浅い共通のneedsやinterestを探るというアドバイスがとても心に響きました」といった感想がありました。
日本人や各個人の思考の傾向や、そこにある問題点・課題について明らかにし、コミュニケーションをとる上での柔軟性の大切さについて理解することができました。
(文責:徽音塾事務局 清水)