2016年1月23日、30日授業風景
「CSRと情報開示(ステークホルダーの視点から)」
達脇 恵子氏(有限責任監査法人トーマツアドバイザリー事業本部第一事業部 ERS-ERMパートナー)

①1月23日

初回の講義ではCSR(企業の社会的責任)の概念の解説から始まりました。続いてCSRの活動領域(経済・環境・社会)や、CSRの歴史の国際比較(欧州・米国・日本)について説明が行われました。続いて企業がCSRに取り組む意義や、情報開示と対話の必要性を確認しました。さらに代表的なガイドライン(ISO26000、ISO14001、GRIガイドライン等)について学び、国際規格の変遷と現状を把握しました。
休憩を挟み、3つのグループに分かれてステークホルダーに関するワークを行い、発表を行いました。講義後半は、社会的課題解決に向けて、日本企業の取り組み事例をもとに解説が行われました。次回の講義では情報開示について詳しく学びました。

塾生からは「CSRの歴史の国際比較からは、国柄といえるようなものや文化的・政治的背景がわかり理解が深まりました」「地球規模の大きな枠組みから、実際の身近な事例まで様々な観点からCSRについて学ぶことができました」「CSRは企業理念や戦略の部分に深く根ざしたものであることを実感しました」などの感想が寄せられました。
授業風景授業風景授業風景

②1月30日

二回目の講義では、最近のトレンドであるCSV(Creating Shared Value)について学びました。社会へ価値をもたらしながら、経済的な価値を生み出すことを目的にする概念です。CSVとCSRの相違点を学びつつ、代表的なCSVの取り組み例を挙げて具体的にどのような成果が収められているかを確認しました。CSVについては塾生から多くの質問があり、活発な質疑応答が行われました。
休憩後、実際の報告書を読み解きながら講義が行われました。その後CSR報告書を読み解くペアワークに取り組み、発表を行いました。続いて統合報告書の必要性について講義が行われ、企業の長期にわたる価値創造活動を包括的に説明するためのプロセスとして必要であることを学びました。最後に情報開示の戦略について実例を学び、企業価値の向上につなげるために的確な情報開示が必要であることを確認しました。

塾生からは「講義内容は詳細でありながら体系的にご説明くださり、初心者にもとてもわかりやすかったです」「CSRと統合報告書について何となくは分かっていたものの、総合的に理解する機会がなかったためとても勉強になりました」「世界的な視野でのトピックが盛りこまれていて、自社の事業の位置付けについて考える上でとても有効でした」との感想が寄せられました。
授業風景授業風景