2016年6月18,25日 13:30-16:40
高田 朝子氏(法政大学大学院 イノベーション・マネジメント研究科 教授)
「貴女のリーダーシップのあり方を考える、作る」
1.6月18日 13:30-16:40
最初に高田講師から「ケースメソッド」の特徴と利点が説明されました。その上でリーダーシップの訓練として実際に「擬似修羅場」のケースメソッドを行い、ディスカッションを通して意思決定のプロセスを学びました。
このケースメソッドでは、情報が限定的で、状況が刻々と変わる中、当事者として分析し意思決定することが求められました。この擬似的な「修羅場」に身を置いた塾生間では、活発な意見が飛びかいました。正解・結論がない問題に対峙し、他者の考えにも触れる中で、多くの気づきが得られた様子でした。
またケースメソッドの後には、高田講師から、意思決定に影響を与える6つの要素が解説されました。自分達の議論を振り返り、確かにその要素に支配されていたと述べる塾生もいました。
塾生からは、「ディスカッションの振り返りを通して、普段は意識しない(できていない)意思決定の過程や、他者・自分の発言の影響力を実感した」、「一貫性の罠に嵌り、自動的に意思決定していたことに気がついた」、「自分の意思決定を他人に理解してもらえるよう説明することの難しさを感じた」、「自分の中の優先順位を確立させることの重要性も学べた」などと感想・意見をいただきました。
2.6月25日 13:30-16:40
最初に、前回の宿題を題材にしたケースメソッドで、企業の抱える問題点や、人物の性質の分析、出世のためのアドバイスなどについてディスカッションを行いました。前回とはまた異なるシチュエーションにおける、リーダーシップの訓練です。
その後高田講師の講義があり、企業・組織の複雑化に伴うリーダーシップの変化や、普遍的なマネージャーの理想像と、そこに求められる要素が解説されました。
また女性の登用をめぐる現状や、昇進と能力による女性の分類、女性マネージャーを呪縛する「信仰」についてもご説明いただきました。そして、女性を育み活かすための取り組みや具体例についてお話しいただきました。
最後に、女性マネージャーを増やすために、企業が考えるべきこと、女性が考えるべきことを解説していただきました。自分なりのリーダーシップを作ることの大切さを、塾生に伝えていただきました。
塾生からは、「ケースメソッドを通して、自分の組織の特徴と、自分の考え方のクセを悟った」、「女性マネージャーの育成には男性側の意識改革も必要と感じた」、「ケースメソッドには自分の経験してきた課題や失敗が凝縮されているようで効率的と実感した。後進に推奨したい」、「マネージメント能力は日々の人間関係でも大切と思うので、勉強を続けたい」などと感想・意見が寄せられました。
2016年度春学期は本日が最後の授業でした。講義とディスカッションを重ねて、学びと共に塾生の皆様の親睦も深まったようです。
(文責:徽音塾事務局 森)