2020年2月1日(土) 11:30~12:00
小坂 圭太氏(お茶の水女子大学 基幹研究院 文化科学系 教授)
今回は徽音塾のミニレクチャーでは初の試みとして、ミニレクチャー+ピアノ演奏の企画を実施しました。音楽科の教授である小坂講師により、本学音楽表現コースの特色について紹介が行われました。小坂講師は、徽音塾開講式での奏楽プロデュースを毎年担当し、普段耳にする機会が少ない女性作曲家の作品を取り上げ、女性リーダーとなるべき塾生達にエールを送っています。ファニー・ヘンゼル、セシル・シャミナード、クララ・ヴィーク、リリー・ブーランジェなど、これまで開講式で演奏された女性作曲家が、歴史上どのような文脈で語られてきたか、近年はどのように変化してきたのか、ピアノという楽器の誕生・進化の歴史と併せて語られました。ソナタ形式における調配置を例に、無意識の前提となっている意識が生む差異についても、具体的にピアノを弾きながら解説されました。
最後に女性作曲家、カイヤ・サーリアホ作曲の「バラード」(2005年)を小坂講師が演奏しました。サーリアホは1980年代から世界的なコンクールの作曲部門において、華々しい活動を行なってきた作曲家です。幻想的でダイナミックな演奏を堪能する機会となり、非日常的な空間を楽しむ時間となりました。
塾生からは「中身の濃い講義と素晴らしい演奏をありがとうございました!ピアノで空気が変わり、空間を楽しめました。」「流派の違いや、演奏方法、文化など知らない世界を知り、今度もう一度聞いてみようと思いました。」という声が寄せられました。
(文責:特任アソシエイトフェロー 林 有維)