2021年5月15日(土)講義:13:30~16:40
横田 響子 氏(株式会社コラボラボ 代表取締役、お茶の水女子大学客員准教授)
「女性のエンパワーメントとリーダーシップ講座」(E講座)の第2回目は横田響子先生に「キャリアの選択肢を広げる、付加価値を生む女性たちの仕事」のタイトルでお話しいただきました。
横田先生は大学卒業後に会社員として6年間企業にお勤めになり、会社内で学ばれた「自ら機会をつくり出し、機会によって自らを変えよ」に基づいて女性社長の事業継続支援を行うために起業されました。どのような支援を行っているのか、さらにはこれまでのご経験を生かして内閣府や中小企業庁、厚生労働省などにおける各種委員を務めたお話があり、我が国における様々な重要課題に関わっておられることを知ることができました。
受講生は事前に内閣府「選択する未来2.0」中間報告(2020.3~)に目を通す課題を行っており、その感想をシェアしつつ、自己紹介ワークを行いました。このワークでは、テレワークやリモートワークが増えたこと、今は変革の時期と認識して現在の状況を前向きに捉えていることなどについて話し合われました。
自己紹介ワークを経て、第1部(前半)は横田先生が参加された総務省 自治体戦略2040構想研究会(2017.10~2018.6)での発表資料を基に、働き方の現在と未来(2040年)についてご講義いただきました。この講義において「小さくとも、新しいことを試したくなる社会を。その中から大きな社会変革につながるイノベーションが生まれる。」、「個人のチャレンジを増やし、新しい試みを社会全体で育てる」ことが大切であり、社会は刻々と変化するため中長期視点をもって組織内外で貢献の場を探すこと、制度や仕組みから物事を変えることの重要性をご説明いただき、第1部(前半)は終了しました。
休憩をはさみ、第2部(後半)は新しいことを始めた人たちとして女性社長(女性起業家)の紹介と女性の可能性についてご講義いただきました。多様な経歴や状況、アイディアをもとに起業した女性たちのユニークなアイディアと事業紹介に、受講者たちも関心をもって聞き入っていました。また、今後はキャリアが複雑化する人も増え、組織内外で第三の場所を探し、経験を積む機会を得る人が増える、つまり2040年は「一人複役の時代」である、とのお話しがとても印象的であり、受講者の心にも深く刻まれました。
第2部(後半)のまとめとして、新しいことを始めてみる(参加してみる)こと、組織経験は活かすことができるが外を見ることも大事であること、ウィークタイズ(弱い紐帯)が大事であり、多様な組織や個人に触れる機会を持つことが大切である、とのお話がありました。まとめの後、受講者が講義の中で共感したポイント、自分の強みとエピソード、2040年のありたい姿と1年以内に試したいことを取りまとめて発表し、横田先生と受講者全員で意見や感想の共有を行いました。
最後に、横田先生から自分が好きなこと、人がやらないこと、社会が必要とすることを行うことが大切、とのメッセージをいただき、起業の3ステップについてもご紹介いただきました。また、各官庁から発信される資料は目を通しておくと様々な計画に役立つことも教えていただき、受講生からは「参考にしています」、「今後目を通して参考にしたいと思います」などの声が上がりました。
受講者の皆様からは、「付加価値を生む仕事はバリキャリのイメージだったが、女性社長の視点を知り、自分の経験や視点をどのように付加価値にするのか、という視点が新鮮だった。その視点で自分のキャリアプランを見直そうと思った。」、「今回参加して複線型キャリアがとても身近なものになりました。起業にはすごく準備をして始めなくちゃとか失敗したらどうしようと躊躇していましたが、そうでなくてもいいんだなって背中を押してもらった気がします。ただ、何をやるかに関しては、まだ柔軟に考えれない状況なので、世の中や自分の身の回りに対し、もっと感度良くならないといけないなと思いました。」などのご感想をいただきました。
昨年度(2020年度)も大好評であった今年度(2021年度)の横田先生のご講義は、終始皆さんの笑顔が絶えませんでした。遠い未来のようであっという間にやってくる2040年、どのような社会になっているのか、答え合わせを行うその日が楽しみです。
文責 内藤 章江(グローバルリーダーシップ研究所 特任講師)