2021年10月23日(土)11:30~13:00
森岡 悠翔氏(Webエンタメメディアを中心としたフリーランスのライター・編集)
企画者:吉岡 かな子氏
3ヶ月ぶりのネットワーキングランチは、企画者も講師も塾生の「塾生企画」!
2020年度に全体修了を遂げられた吉岡かな子さんに、森岡悠翔さんを講師に立てて企画していただきました。
12分に1度(?)、江ノ電の踏切の音がのどかに聞こえてくるお部屋から中継していただいた今回。森岡さんは湘南に先週お引越しをされたばかりとのお話(いいなあ)。たまに、のんびりしたカラスの声も響きます。
背景からして「好きなことにシンプルに」向き合っていらっしゃる風情満々…なのですが、今のスタイルに至るまでのモヤモヤエピソードもたっぷりご披露いただきました。
ミニレクチャーのタイトルだけ見ると、最初からまっすぐブレずにキャリアを重ねていらしたようなイメージの森岡さん。しかし就職活動、仕事、2回の転職と様々な場面において、いつも何かしらのモヤモヤが次から次へと出現し、その度ごとに真剣に向き合って歩みを進めていらしたのでした。
自分のことを見てくれている人がいたこと、思いもよらない人が力になってくれたこと、努力を重ねる人たちの姿を世に伝えたいと思ったこと。それらの原体験は、現在の森岡さんを形作る要素のようです。
最初に転職された際は、自分が抜けて職場に迷惑が掛からないだろうか、という葛藤に加えて、ふたつの方向性で進路を迷っていたといいます。ひとつを選んだら、もう片方にはもう戻れない。今後のすべての方向をこのタイミングで決めなければ……と悩んでいたところ、他者の言葉や生き方に救われたというお話を披露していただきました。
「やりたいこと」は変化していいんだ、との考えに、この時至ったそうです。
また転職後に「社会を変えたい」と壮大な目標を掲げる人たちとの出会いで、自分には何もないと焦ったことで始めた「えのいち」の活動でもたらされた変化のお話もしていただきました。
「えのいち」は片瀬海岸1丁目に位置する(名称の由来)、築約40年の一軒家を使ったオープンスペースです。森岡さんはここで、表現の場を提供することになりました。好きなことに邁進している人たちは格好いい!様々な人が、自由に、自分の好きなことをできるようにしたいという思いからです。そしてあわよくばその人たちを知ってほしい、とご自身はライター・編集として、表現されたものを世に出すことをお仕事にされたのでした。
遡れば学生時代に、真面目に努力を重ねる友人たちの姿が他者に知られないことを惜しんでいらした気持ちと、一貫したものがあります。このミニレクチャーの予告でおっしゃっていた「結局ここに辿り着くんだよな~」という言葉は、こういうことだったのですね!
「えのいち」を始めてからは湘南の人とたくさん会うようになり、NPO活動にも携わることになった森岡さんですが、今度は自由で格好いい彼らと引き比べ、「自分には何もない!」と感じてしまったこともあったそうです。それでも、湘南の緩やかさの中で、「焦らなくていいんだ」と「えのいち」のコンセプトを見つめ直し、「やりたいこと」は大きくなくていい、との考えに至ります。
さらに、時間と場所に縛られない働き方がしたいとの思いからフリーランスを検討した時は、後戻りができなくなるのではとまた不安に駆られたそうですが、ここでも他者の言葉から、常に進んでいなくてもいいと思えるようになり、現在のお仕事の形を選ばれたというお話でした。
何を選んでもいい。ただし、そこに自分が納得できる理由があれば。それさえあれば、たとえ他から何を言われようとも、どう選択しても構わないというお言葉は力強かったです。
最後に、小さな変化を認識することが大切というお話もプラスでしていただきました。たとえば上半期の変化ベスト3は何?という話題でご自身のベスト3を披露していただき(新たな推しとの出会いの話に参加者が沸きました)、「なんでそれをやっているの?」ということに理屈はつけないでいいというメッセージで幕となりました。
参加者からは「私自身が『やらなければならない』『やった方がいい』ことを『やりたいこと』と思い込んでは、苦しい気持ちや上手くいかない状況に陥っていた時期があったので、もっとシンプルに自分の直感を大事にしていけば良いんだなと思えて、ふと肩の力が抜けました。また、ご自身の純粋な気持ちを大事にするうえで、周りの方々とも良好な関係性を築かれていて、要所要所で誰かがアシストしてくれるような機会に恵まれており、行動力と柔軟性といった人柄があってこそなのだと感じました」、「印象に残っているのは、『日常に追われて忘れてしまっていること思いだして本来の自分を取り戻す』『自分が納得できる理由をつける』。私の中のモヤモヤを整理していただいたような感覚になりました。改めて『いろんな瞬間瞬間でその時の自分ができるベストな判断をする』『やってみたいことがあれば一歩踏み出してみ』ようと思いました。とても有意義な時間をありがとうございました。ご活躍応援しています」などとご感想をいただきました。
お話の終了直後に参加者にお一人ずつお話しいただいた際も(出身学部&まさかの以前のお勤め先が同じ参加者もおいででした!)、ご経験や選択などと絡めつつ、それぞれに歩んできたキャリアを語っていただいて有意義な時間でした。
森岡さん、紆余曲折と、気づけばそれが「好きなこと」のための道のりであったお話をありがとうございました。日常に精いっぱいで忘れがちですが、本来の自分の思いをここで見直そうと思いました。
そして吉岡さん、このような素敵な企画を本当にありがとうございました!森岡さんのお話に時折入る吉岡さんの合いの手からは、お二人の仲の良さも伝わってきて楽しかったです(いずれ吉岡さんも講師をお務め下さいね!)。
「えのいち」HP
https://enoichi-openspace.mystrikingly.com/
「えのいち」Facebook
https://www.facebook.com/enoichi.openspace/
文責 森 暁子(グローバルリーダーシップ研究所 特任アソシエイトフェロー)