前半の講義では、「なぜコーポレートガバナンスは経営戦略なのか」というテーマのもと、企業経営とガバナンスの関係について学びました。はじめにアフラックの紹介があり、実際の企業をイメージしながら話を聞くことで、少し難しく感じがちなテーマも身近に捉えることができました。塾生も、具体的な企業名が挙がるたびにうなずいたり、メモを取ったりしながら、関心をもって講義に耳を傾けていました。
先生は、コーポレートガバナンスとは、会社が株主だけでなく、顧客や従業員、地域社会など、さまざまな立場を考えながら、透明で公正な意思決定を行うための仕組みであることを説明してくださいました。コンプライアンスや内部統制との違いについても触れられ、塾生にとって、それぞれがどのように関わり合いながら企業を支えているのかを理解する時間となりました。

また、日本におけるコーポレートガバナンス改革の歴史をたどり、バブル崩壊後の課題や、近年の改革の流れについても学びました。ガバナンスの強化は、企業価値や競争力を高めるだけでなく、よりよい意思決定につながるのだと、具体的な例を通して伝えてくださいました。

後半では、コーポレートガバナンス改革の歴史をふまえ、日本企業が抱えてきた課題や、アベノミクス以降の改革の流れについてさらに理解を深めました。株式会社の本質である「所有と経営の分離」に立ち返る説明に、塾生からは「なるほど」といった表情も見られ、内容を自分なりに整理しながら聞いている様子がうかがえました。
さらに先生は、制度設計などのハード面と、経営陣の姿勢や企業文化といったソフト面の両輪が重要であることもご教示くださいました。事例演習ではステークホルダーごとのリスクを検討し、意見を出し合いながら、ガバナンスを「自分ごと」として考える時間となりました。