「イノベーションとは何か」。
冒頭で先生は、イノベーションとは単に新しい技術や発見のことではなく、人々にとって新しい価値を生み出す行為だと説明されました。たとえばスマートフォンの普及によって、私たちはいつでもどこでも情報にアクセスできるようになり、ネットショッピングによって時間や場所を問わず買い物が可能になりました。これらは技術そのものの新しさではなく、生活に新しい価値をもたらした点が重要なのです。
先生は、イノベーションには社会の課題を解決する「機会発見型」と、先端技術を起点に新たな市場を切り拓く「機会創出型」があるとお話を続けられます。身近なサービスを思い浮かべると、どちらの側面も持っているものが多く、改めてイノベーションが多様な形で存在していることに気づきました。持続的イノベーションと破壊的イノベーションの違いも印象的でした。既存市場の中で予測しやすく進むものが前者であり、未知の市場に挑むのが後者です。先生が「破壊的技術は既存の顧客に受け入れられにくいため、大企業は採用をためらう」と話されたときには、塾生たちもなるほどと深く納得したようでした。
一方で、イノベーションを阻む要因についても考えさせられました。組織の内部では、中央集権的な仕組みや過去の成功体験が新しい挑戦の妨げとなり、外部では法律や制度、業界の慣習が壁になることがあります。グループディスカッションでは、仲間の多様な意見に触れることで、自分の発想も広がり、イノベーションをより身近に感じることができました。今日の講義は知識を得るだけでなく、社会の変化を自分ごととして考えるきっかけとなり、とても充実した時間になったようです。




