今回の講義は、明海大学経済学部の寺村絵里子先生にご担当いただきました。
 女性活躍推進の動きが加速し、企業も女性管理職・役員比率に目配りしているようになっているにもかかわらず、なぜそれが目標値に達成しないのか、という問題について、金融政策の変化やこれに基づく研究をご紹介いただきました。また、女性活躍推進の背後で実際にはダイバーシティが進んでいないのに数値のみ目標達成しているとみせかけるジェンダーウォッシュの概念等をご紹介いただきました。
 そして、企業の再生時に女性が登用され、活躍する二人の女性CEOの事例が紹介されました。リーダーシップには様々な型が存在し、より女性に沿った新たなリーダー像を描くことができるのではないということを示していただき、ガラスの天井、ガラスの崖から次のステージへの移行を感じる講義でした。組織の再生時に女性がリーダーに任命されるということには、女性にリーダーの役割を託すことで期待されている独特な意味が何かあるのだろうか、と考えさせられました。
 グループワークの時間には、日本企業で女性管理職・役員が増えない理由、勤務している職場での女性リーダーについて、受講生の間で活発な議論が交わされました。日々感じていることについて話す機会を得たことで、受講生の方が一層いきいきとされていく様子がとても印象的でした。