今年度、徽音塾第9回目の講義は、お茶の水女子大学 基幹研究院 人文科学系 音楽表現コース 助教の浅井佑太先生にご担当いただきました。
今回のテーマは、ピアノを習ったことのある人なら誰もが知っている、バッハの『2声のためのインヴェンション』です。浅井先生は、まず『2声のためのインヴェンション』の背景と構造について説明されました。この作品は、バッハが弟子たちに対位法を教えるために作曲した練習曲であり、二つの声部が独立して動きながらも、緻密に絡み合う対位法の技術が詰まっています。先生は具体的な楽譜例を用いながら、各声部の動きとそれが生み出す音楽の流れを丁寧に解説されました。
また、講義では実際にピアノを用いて『2声のためのインヴェンション』を演奏し、その美しいハーモニーと緻密な構造を実感させてくださいました。浅井先生は、「この作品が傑作であることが分かってもらえれば」とおっしゃり、塾生たちにその素晴らしさを伝えました。
ピアノの美しい旋律に耳を傾けながら、塾生たちはバッハの音楽の奥深さと対位法の魅力を再認識したようです。久しぶりにピアノを弾きたくなった塾生も多いのではないでしょうか。