2018年7月14日(土) に第11回リケジョ-未来シンポジウ「サイエンスの学びから将来の夢へ」をお茶の水女子大学において開催いたしました。この日は午後に理学部のオープンキャパスがあり多くの方に関心を持っていただけました。
ご講演は、お茶の水女子大学理学部情報科学科准教授 工藤和恵様、日本たばこ産業株式会社葉たばこ研究所研究員 野村綾子様のお二人からいただきました。パネルディスカッションではお茶の水女子大学附属中学校教諭前川哲也様をファシリテーターにお願いして、進行していただきました。
司会は理学部情報科学科4年生の島百子さんにお願いしました。
講演の部
工藤和恵様は「未来につながる現場~大学は未来の素にあふれている~」と題してご講演いただきました。
高校時代には教科「情報」はなかったけれど、物理の授業で物理現象を簡単な数式で表せることを知り強く関心を持ったとのことです。
工藤様の研究は物理でも、数理物理という実験をしない分野で、コンピュータを使って研究しているとのこと。研究者になるまでの道のりについてもご自身の経験をもとにわかりやすいお話でした。
現在は2種類の研究テーマに取り組んでいるそうです。
パターン形成と組み合わせ最適化問題だそうです。最適化問題の解決では、量子コンピュータと人工知能の技術を用いることで画期的な展開が予想されるようです。
最新技術を支える物理や数学など、基礎的な土台もとても大切であることが強調されていました。
参加者へのメッセージとして大学で学ぶということの意味を「学ぶ力を養うため」とし、将来にわたって学び続けるための力をつけて欲しいとおっしゃっていました。
本学のよさにも触れ、多くの卒業生が活躍していることで、ロールモデルとなる方が身近にいて近くで接することができることをあげていました。
工藤様のお話から、コンピュータで解決させるための数式の導出とシミュレーションによる実験を行う研究方法や、コンピュータを使っても解決が困難な問題が多く存在するとを知ることが出来ました。
野村綾子様には「今までの色々な選択を振り返って」と題してご講演をいただきました。野村様の、研究スタイルは、どちらかというと一人で取り組むタイプだそうです。
進路選択に影響を与えられたのはNHKの番組を視聴したことや、中高の先生に恵まれたとのことなどがあり、教員になりたいとも思ったそうです。
進化遺伝学の研究をしたかったが、学部では1年間くらいしか研究が出来なかったのでもっと続けたいと思い、大学院への進学を選択し、研究テーマにかかわるロールモデルの方を得られると思って東京大学を選んだそうです。
理系で活躍するためには、英語の必要性については強いメッセージをいただきました。
研究が面白くて続けたい意志が強く、就職時には企業の研究職を選択し、これまでの研究テーマも関心はあったが植物を扱う職種にしたとのことです。
大学院では研究分野のロールモデルに出会えるチャンスがあったそうです。
研究者は、面白い人たちが多いことや、生活のバランスがとれること、やりがいのある仕事であることが今の原動力になっているとのことです。
普段の1日の家庭生活についてもくわしくお話いただけ、参加者は大変関心を持ったようです。
仕事と家庭の両立をとるために、物事の軽重を判断しながら、バランスの取り方の大切さを強調されていました。
ロールモデルを求めて大学院は他大学への進学、研究への興味の追究を進め博士課程に進み、企業への就職とその時々の選択ポイントで「何が大事かな」を判断しながら進めてきたとのことでした。
これまでに様々なポイントで悩んで選択してきたことをお話しいただきました。とても丁寧にご自身の選択のポイントをお聞きすることが出来ました。
パネルディスカッション
前川哲也様をファシリテーターに、講演者の皆様に対しての質問事項も多くだされ、一つひとつ丁寧にかつ率直なお考えを述べていただくことが出来ました。
シンポジウム終了後には、講演者の皆様を囲んで茶話会を行い、お茶大ゴーフルを食べながらサイエンスアシスタントの学生達も交え和やかにディスカッションを行えました。
ご参加の皆様ありがとうございました。
最終更新日2018.7.30
加々美勝久記