生物学科&HLS研究所共催セミナー「植物における脂質膜を介したストレス応答について」を開催(共催)します。(2023.12.13)


生物学科&HLS研究所共催セミナー「植物における脂質膜を介したストレス応答について」

脂質膜は細胞のみならず細胞内の様々な細胞内小器官の境界を決めており、その形成・修復は植物の環境応答において必須のメカニズムである。脂質膜に囲まれた構造体の形成過程においては膜切断機構が必要となる。ESCRT-III (Endosomal Sorting Complex Required for Transport)複合体は細胞質から生じる小胞形成の過程において膜切断に関与することが知られている。近年の構造解析によって、ESCRT-III複合体は螺旋状の繊維状構造をとることが明らかとなり、ESCRT-IIIと膜との相互作用が膜の変形と切断に寄与することが示された。ESCRT-IIIの関与する膜切断過程はエンドソームにおける腔内膜小胞の形成のみならず、ペルオキシソーム、細胞膜、オートファゴソームと多岐にわたることが示唆されている。しかしながら、ESCRT-III複合体の異なる膜構造への誘導メカニズムに関しては、その正確な時空間的制御について分子レベルでの解明が始まったばかりである。われわれの研究室ではESCRT-IIIと相互作用する因子を探索し解析を進めてきた。本セミナーではタンパク質と脂質膜の相互作用および液―液相分離がESCRTの膜誘導の決定にどのように関わっているかに焦点をあてて、最新の研究を紹介する。なお本セミナーは、HLS研究所が進める「植物の液胞輸送機能改変による高付加価値作物の作出」研究に関連した内容となっている。

 

【日時】2023年12月13日(水) 15:30~17:00

【場所】お茶の水女子大学 国際交流留学生プラザ2階多目的ホール

【講演者】コンスタンツ大学生物科学研究科 教授 磯野 江利香 博士

申込不要です。直接会場へお越しください。

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