「新規β型リゾホスファチジン酸構造異性体の発見とβ型リゾホスファチジン酸誘導体を用いた生理活性解析」こちらの研究が英国の総合科学雑誌『Scientific Reports』のオンライン版(8月30日付)に掲載されました。
新規β型リゾホスファチジン酸構造異性体の発見とβ型リゾホスファチジン酸誘導体を用いた生理活性解析
本研究所、代謝・生化学部門の後藤真里特任准教授、アカデミック・プロダクションの深澤桂子リサーチフェローらの研究グループは、独特の構造を持つ生理活性脂質である環状ホスファチジン酸(cyclic phosphatidic acid, cPA)の代謝産物を解析し、通常sn-3位に結合しているリン酸基がsn-2位に結合している構造を持つ新規のβ型リゾホスファチジン酸(lysophosphatidic acid, LPA)構造異性体がin vitroにおいてLPA合成酵素のひとつであるオートタキシン(autotaxin, ATX)により生合成されることを発見しました。
また、β型LPAの誘導体である2-carba-LPAを用いてLPA受容体への作用解析を行い、2-carba-LPA はLPA受容体1-6の全てに対してアゴニズム活性を示すこと、及び、ATXのリゾホスホリパーゼD活性を阻害することを明らかにしました。
これまでにβ型のリゾリン脂質自体が生体内から発見された報告は未だなく、ヒトの身体での働きは未解明です。今後、β型LPAの生理活性が解明されることが期待されます。
本研究は、英国の総合科学雑誌『Scientific Reports』のオンライン版(8月30日付)に掲載されました。
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