5月8日(土)のご講義の際に、受講者から寄せられた質問について、
宮里先生はその後も思いをめぐらせて下さっていたそうです。
メールでいただいたその文章が、事務局で独り占めするにはもったいない素敵さでしたので、
先生の許可を得て以下に公開いたします。
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以下は、おしゃべりです。
あの後、実は考えたことがありました。
「一人一人に応じることと、集団を大切にすることについて」の質問への答えです。
保育現場でもよく出る質問ですが、その立場ではない方からの質問で特に興味深かったのです。
あの場では、「個に眼差しを向けつつ集団を運営すると緩やかな集団になる」風なことを答えたのですが、帰り道、歩きながら「は!」としました。
「一人一人を大事にすること」と
「集団を大切にすること」
この二つは、相反することのように見えるけれど、
両方ともに大切なことなのだと。
そして、世の中は、相反するように見える大切なことの絡み合いで出来ている。
相反するように見えるけれど大切なことを、両方ともに大切にするとき、ちょうどよい「歩み方」になる。
例えば、「いそがば回れ」と言う言葉がある。
「急ぐ」ことと「回る」(迂回すること)は、相反するように見えるけれど、実は、両方大切なことで、それが「よく生きる」と言うことなのだと。
同じように、コロナの今も、
「感染対策をする」ことと「楽しく過ごす」こと、
両方を大事にする。どちらかだけに傾くと、そこに圧迫が生じる。
そうだ!と思いました。
私は、そのような意味で、相反するように見える複数の大切なことに直面した時に、「両方大事にして、できること、したいこと」を見つけてきたな、と思いました。
長くなりましたが、問いをいただくと、考えるきっかけになります。
ありがとうございました。
宮里暁美