2022年度の徽音塾第14回目の講義は、専修大学商学部教授の鹿住倫世先生にご担当いただきました。鹿住先生には2週連続で講義を担当して頂きます。
「イノベーションとは何か」、「今、なぜイノベーションが必要か」。冒頭から大いに引き込まれる問題提起がなされました。鹿住先生は、5年前には全く予想しなかった新型コロナウイルスの感染拡大や、ロシアのウクライナ侵攻を例に挙げ、「今は、経済、社会、気候変動など、企業や組織を取り巻く環境の不確実性が増大している」と指摘されました。私たちは、かなりのスピードで変化する社会に生きており、その変化についていくだけでは、社会の変化に振り落とされてしまいます。企業や組織は、イノベーションを創出する側、動かしていく側にならないと生き残れないのです。「特に先進国でGDPを伸ばす源泉はイノベーションです。それを活用し、創出できる組織になることが至上命題です」と先生はおっしゃいます。前半からチャットで質問が飛び交うなど、塾生の関心が高いことがうかがえました。
後半は、持続的(斬新的)イノベーションと破壊的イノベーションの2つについて企業の事例を挙げて説明して下さいました。続くグループディスカッショでは、塾生の勤務先・所属先の「イノベーションの壁」について塾生同士で意見交換をしました。共通の課題を抱える塾生が多かったようで議論は白熱し時間が足りないほどでした。
最後に、ソーシャル・イノベーションにも言及し、経営学の観点からソーシャル・ビジネスを捉え、社会的なミッション、経営戦略、マーケティング、組織管理などの視点で考えることが重要だと説明してくださいました。後半の講義も楽しみです!