2022年度の徽音塾、最後の講義は、内藤忍先生にご担当いただきました。全2回講義の後半です。

先生は、冒頭で前回の講義内容を振り返った後、セクハラやパワハラをめぐる訴訟、非正規雇用やフリーランスの不遇に関する実態についてご紹介くださいました。「訴訟につながっているのは氷山の一角にすぎない」、「ハラスメントを受けただけではなく、さらに訴訟を起こすとなると、被害者の精神的ダメージは相当なもの」などの見解に、塾生も大きく頷いていました。また、搾乳の大変さや職場に授乳室がないことの不便さという調査事例とともに、妊娠・出産での離職、仕事と育児(介護)の両立の困難さと法制度の関連について説明くださいました。

グループディスカッションでは、働くことで遭遇する様々な問題を個人的な問題にとどまらせることなく、それらを労働法とどう関連付けられるのかというより社会的な視点で議論しました。今年度最後の徽音塾講義ということもあり、時間が足りないほどディスカッションが盛り上がりました。労働問題や労働法については、引き続き向き合っていかなければならないテーマであり、今回の講義は塾生の関心がより一層深まる意義深いものでした。