2014年11月1日・15日・22日・29日
吉村貞彦氏(吉村貞彦公認会計士事務所 代表 公認会計士)
「グローバル経済と日本企業」「会社の仕組み」「統合報告とは」「ビジネスゲーム演習」「上場会社とコーポレートガバナンス」「IRと企業価値の向上」

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①11月1日 13:30-16:40

日本に並立する4つの会計基準(日本基準、米国基準、IFRS、修正国際基準)の差異と適用状況、改正会社法、投資家と企業との対話の促進(コーポレート・ガバナンス、日本版スチュワードシップ・コード、GPIF、JPX400)、機関投資と外国人投資家の存在感等についてお話いただきました。グローバル経済の進展にしたがって、日本企業に求められている仕組みと変化について、俯瞰的に学ぶことができました。

また、講義当日に発行された新聞を配布していただき、日々行われている議論とコーポレート・ガバナンスの関連をわかりやすく読み解いていきました。専門的な用語や内容も、非常に身近に感じることができる講義となりました。

塾生からは、「これまでキーワードのみしか分からなかったが、全体像への理解が深まった」、「新しい資料、これから起こることに注力して下さった授業で、非常に興味をそそられた」、「生きている分野という印象を持てた」といった感想がありました。


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②11月15日 13:30-16:40

日本企業の実例をあげながら、様々な会社法人の形態(合名会社・合資会社・合同会社・株式会社)とその性格、会社法、メリット・デメリットを解説していただきました。また、特に、株式会社におけるガバナンス機関の設計、決済と開示方法等について、最新の経済界の動きと併せつつお話していただきました。

また、ゲストとしてお越しいただいた三代まり子氏に、「統合報告」についてご紹介いただきました。短期志向・利益のみへの着眼・開示情報の乱立といった、これまでの報告の問題点を反省し、“信頼関係の構築と持続的な価値創造を目指す”国際統合報告フレームワークの要点をお話いただきました。

塾生からは、「法人組織についての種類や、株式会社の仕組みなど、複雑な部分が分かりやすくイメージできました」、「これを機に、各企業の“IR”を読んでみたいと思った」、会社の企業価値を上手に開示、伝える必要を感じていた時なので、考え方の枠組が得られてよかった」といった感想がありました。


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②11月22日 13:30-16:40

競争戦略やマネジメントの疑似体験をするビジネスゲーム演習を行いました。塾生を4チームに分け、諸条件を設けて、年4回の4半期ごとに予想順位・受注予想数量・仕入数量・販売価格・広告費を決定し、その結果を分析していきました。利益を上げる困難さや工夫の必要性が実感でき、経営戦略への関心を深めることができました。

塾生からは、「マーケットシェアの取り合いでは、うまく利益がでないことがよくわかった。商品の差別化が重要だと感じた」、「予測と実際をより近付けていくことが大事なのではと思った」、「方針が決まっても、意志を統一するのは難しいだろうと感じた」、「リーダー育成の内容としても、いろいろな分野に適応できる内容だと思った」といった感想がありました。


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②11月29日 13:30-16:40

なぜ、今「コーポレート・ガバナンス」への関心が高まっているのか、その意義と目的、機能と形態、各機構ごとに掲げられる原則等について、より詳しくご説明いただきました。一方で、日本の企業の現状や仕組みはどうなっているか、自身のご経験も交えつつお話いただきました。

また、講義の後半には、企業価値の源泉を把握する事、短期的ではなく永続的目的を明確にする事、制度や業績・リスクの開示、経営者自身のメッセージ等、企業が発信すべき情報について学ぶことができました。

塾生からは、「企業の事業内容が変化するにあたり、情報開示という部分はこれからのIRの中でも重要になってくると感じた」、「監査会を通じて外部のステークスホルダーに情報開示する仕組みについてイメージでき、参考になった」、「企業は維持・発展のため“企業価値を高める”こと、私達は企業の価値を見極める目を養うことが大切だと強く思った。」といった感想がありました。

単なる財務的情報の開示ではなく、建設的な対話を通して企業価値の向上を目指すコーポレート・ガバナンスとIRの意味について、深く理解することのできる講義となりました。

(文責:徽音塾事務局 清水)