2020年8月15日(土)講義:13:30~15:00 交流会:15:00~16:00
横田 響子氏(株式会社コラボラボ 代表取締役、お茶の水女子大学客員准教授)

事前の課題として、横田先生が委員に名前を連ねる「選択する未来2.0」の中間報告(全43ページ!)を読んでくることが指示された今回、緊張しておいでの方もいらしたようですが、開始前の自己紹介では先生ご指示の「お名前@好きなこと」表記をネタに、参加者同士和やかなおしゃべりが弾みました。実は先生も(画面オフで)楽しく聞いて下さっていたそうです。

シドニー生まれ、大阪育ちで、4歳にしてダイバーシティに目覚め(!)、興が乗ると大阪弁が発動するとおっしゃる先生(発動していらっしゃいました)。自己紹介かたがた、現在までに携わっていらした、女性支援を中心とした活動をまずはご紹介いただきました。

最初のグループワークでは課題の「選択する未来2.0」中間報告を読んで響いたこと、気になったことなどについて互いに発表し、共有しました。コロナ禍における女性の家庭での位置や地方での活動など、様々な問題への受講者の関心の高さと、それぞれの方が自分に関わることとして認識されている問題がここで垣間見えました。

それから第一部として、横田先生の考える2040年の労働市場について、データや変化の兆しなど、現状にも目を向けながらお話しいただきました。企業と個人の双方が新しいことを始めたくなる社会づくりへのヒントと注意点についてもご紹介いただきました。「一人複役」、自分にもできるだろうか…制度・仕組みから物事を変えるというくだりが響いた方が多かったようです。

第二部では、まだマイノリティではあるものの増え続けている女性社長について、その可能性やユニークな事業等を解説していただきました。人の代わりにぬいぐるみを旅行させる代理店や、特殊な設定のツアープラン、目の付け所が違うアクセサリー部品や、わざわざ辺鄙な場所でなかなかのお値段で出すランチなど、他にはない事業で成功を収めた女性のお話が目白押し。大変面白く拝聴しました。
コロナ禍が加速させた労働市場の変化や、キャリアの複線化、将来の準備として今からでもできることや、現在所属している組織から学べること、それに「ウィーク・タイズ(緩やかな繫がり)」を多様な組織・個人と持っておくことの重要性と、長距離ランナーでいこうというお話もしていただきました。

二回目のグループワークでは、講義で共感したポイントや自分の強み、将来ありたい姿などを明確化する個人ワークの後に、グループ内共有、グループ外発表を行いました。
それを受け、人生においてミラクルが起こりやすい(人に声をかけてもらいやすい)法則、起業までの道のりの例と、当初の計画に固執せず、変化をいとわず事業を育てるということ、キャリアの大半は偶然によるというお話をしていただき、幕となりました。

あっという間に時間の過ぎた今回でした。横田先生には、チャットで寄せられた質問にもご返信いただき、大変親身にご対応いただきました。
受講者からは「部署異動をした際に強く感じた会社外での経験値を高める必要性について改めて今日の講義で認識しました」、「長寿化する中で,自分のキャリアはまだまだ長く続くと思うのですが,そこを考える上で今まで持っていなかった情報をお伺いすることができました」、「女性起業家と聞くとハードルが高いイメージでしたが今回ご紹介頂いた事例がかゆい所に手が届く素敵なアイディアを形にしていて、自分自身も何か社会に貢献できることはないかと自問するきかっけになりました」などとご感想が寄せられました。
いろいろと腑に落ち、また気力も沸いた午後、横田先生ありがとうございました。

文責 森 暁子(グローバルリーダーシップ研究所 特任アソシエイトフェロー)