2020年9月12日(土) ミニレクチャー:11:30~12:00 交流会:12:00~13:00

石田 恵理氏 (グローバルリーダーシップ研究所 アカデミック・アシスタント)

実は石田講師は、昨年度から徽音塾をサポートしてくれているスタッフでもあります。本学の大学院で哲学を専攻し、研究を継続しています。昨年までは対面講義でしたので、穏やかで明るい石田講師に会うことを楽しみにしていた塾生さんが多くいらっしゃいました。今回の企画は、石田ファンの塾生さん達からのリクエストで実現しました。全11名が参加し、本学の倫理・哲学研究室のOGも応援で駆けつけてくれました。

「哲学は難解?」「哲学は役にたたない?」など、哲学にまつわるイメージについて、丁寧に紐解くレクチャーが行われました。石田講師は「問いに対する答えが在ればよいのではなく、問い自体を検討し、問題の捉え直しを迫ることが哲学の意味。」と熱く語りました。そして「女性哲学者はなぜ少ないのか」という参加者からの問いに関して、哲学という領域にかかるジェンダー・バイアスについても制度や心理的側面が原因であることについて、解説が行われました。

レクチャー後に活発な質疑応答が行われ、「哲学上解けない問題はありますか?」「石田講師のメインの問いはなんですか?」などの質問や、東洋と西洋の生に対する概念の違いなど、深い問いが投げかけられました。「議論の単純化を避け、見方の多様性を広げるという哲学のエッセンスは、幼い時から身に付けるべき大切な事だと思う。」など意見が述べられました。交流会では話題が尽きず、次回の企画についてもリクエストがありました。最後に「人間とは、愛とは何か。」という難しい問いかけがあり、石田講師の考えが述べられ(秘密です)、幕となりました。

塾生からの熱い感想が寄せられました。

「初学者だと難しく感じる概念や言葉を分かりやすく平易にご説明していただいたので、頭にすっと内容が入ってきて、思わず前のめりになって講義を聴いておりました。哲学を実生活で生かす方法として、新たな見方や捉え方をダウンロードしたり、自分自身が課題だと考えていることは本当に課題なのかを見直してみたりと、日々のストレスコーピングに役立つ印象を持ちました。是非続編もお願いいたします。」

「『多面的に物事を考える・多くの要素に目を向ける』、どんな答えなら納得できるのか?と答えから改めて問題を捉えなおすという作業は、日常生活にも活かせると思います。相手や周囲の意見があって、初めて自分が見える・分かることもたくさんあるというのも大変沁みました。周囲と触れ合う機会が激減したコロナ禍で、人間が社会性の生き物であると改めて痛感しています。ぼーっと生きてると怒られないように、物事の本質は何かを考え自分の言葉で理解できるよう心掛けたいと思いました。また講座の続編も期待しております。」

(文責 特任アソシエイトフェロー 林 有維)