2020年11月15日(日)講義:13:30~16:40
神原 理氏(専修大学 商学部 教授)

神原先生の楽しいご講義第2回です。
本日はマーケティング・リサーチ(市場調査)のお話でした。

まず、マーケティング・リサーチとはいかなるものかご説明いただきました。
データの種類と質的相違についてのお話では、データの示し方・読み取り方や調査方法による強みについて、うんうんと頷いている方のお姿が目につきました。メイド喫茶での調査の事例は、とても面白いですね!コロナが収束したら、秋葉原で「仮説」と「検証」を繰り返してみたいものです。

具体的なマーケティング・リサーチの手法のお話では、最初に定性的調査、フィールドリサーチについて教えていただきました。フィールドや細かい技法について、実際のフィールドノーツを挙げながらご解説いただきました。絵心があると、非常に楽しい調査になりそうです。
フィールドの比較方法や、研究アプローチについても教えていただきました。

最初のグループワークでは、教えていただいた技法を踏まえ、フィールド調査の設定を行いました。
現在空前のヒットを飛ばしているアニメや、銀座にある巨大ファストファッション店を取り上げた「問題発見型」のもの、ネットで有名になったピアニストとクラシックのピアニストに注目した「テーマ設定型」のものなど、面白い調査計画が出来上がりました。
各グループの計画について、神原先生からコメントと、似た事例のご紹介をいただき、さらに興味深く伺いました。

後半では、定量的調査、アンケート調査についてご講義いただきました。こちらでは目的を確立しておくことが重要だ、答えるのが嫌になるようなアンケートになってはいけない、というお話に、アンケートがヘタな事務局一同は顔を赤らめておりました。
生活に華やぎのない女性も例にした分かりやすいリサーチ課題のご解説では、若い塾生の方はこうではないだろうなあ(私はよく分かるなあ)と拝見していましたが、「自分のことのようです」というご感想もいただきました。道理で、ここで笑っていらした方が目につきました。

こちらでもリサーチ目的の確立から細やかにご教授いただいた後、グループに分かれてリサーチ方法の設計を試みました。
こちらでは、引き続き人気アニメのファンや、有名ファストファッション店で最近発売された話題のリサイクルダウンの購入者に着目したもの、またお茶大近くの高級チョコレート店の「割れチョコ」の購入者をターゲットにしたものと面白い案が生まれました。
ここでも先生からコメントをいただきました。どの案も、すぐにでも行ってみて有用そうでした。日頃よく目にするアンケートですが、設計をあらためて考えてみると、先生のおっしゃる通り、ピンからキリまであるということが腑に落ちる思いでした。

全2回の「マーケティング入門」、今年度もとても面白く伺いました。神原先生には最後にご質問の数々にもお答えいただき、また有用な参考資料もいただきました。
神原先生、オンラインでも楽しかったです!

参加された皆様からは「調査というとアンケートのイメージがありましたが、フィールドリサーチでも様々なことがわかることを学べてよかったです」、「グループワークで実際にアンケートを設計してみると、本当に知りたいことがより洗練されるように感じ勉強になりました」、「「目的設定が何よりも重要」という点について、経年で行っている自社の調査の目的を再定義することも検討したいと思いました」などとご感想が寄せられました。
初回で先生からいただいたアドバイスをもとに、すでに商品のリニューアルの検討に入っているというお話も伺いました。お役に立って何よりです!

神原先生、来年のご講義でまたお目にかかるのも、あっという間と存じます。ユーモアのあるご講義(と、素敵なお召し物と、ハマっていらっしゃるお飲み物のお話)を楽しみにしております。
次回は一同で割れチョコを買いに行けますように。

文責 森 暁子(グローバルリーダーシップ研究所 特任アソシエイトフェロー)