2021年2月13日(土)講義:13:30~16:40
汐崎 浩正氏(汐崎法律事務所 所長弁護士)

今回も豊富な資料をご用意いただいた第2回、講義前に受講者の方から「前回もですが、ボリュームにびっくりしながら準備しております(笑)」とメールをいただきました。汐崎先生、祝日返上でご用意いただきありがとうございました。先生のお仕事は「24/7(年中無休)」と伺いましたが、本当に頭が下がります。

最初に、前回のリアクションペーパーで寄せられた「(製造物責任法に関して)製造元が海外事業者であった場合は泣き寝入りするしかないのでしょうか?」、「そもそも民法と刑法の違いがよく分からないのですが…」といった質問について、丁寧にご説明いただきました。

前回分の疑問がすっきりしたところで、今回は独占禁止法(独禁法)のお話から始まりました。法律の成り立ち、変遷から、この法律の禁止するもの、関連する制度や調査、適用除外等まで、今回も実際に起こった事件を例に詳しく教えていただきました。規模の大きな事例(先生も関わった事件)、小さな事例のお話が興味深かったです。同じ法律違反でも、様々な業界で起きるのだなと感じました。また実際の事件をもとに作られた、先生が面白かったとおっしゃっていたドラマも見てみたくなりました。
最新の改正独禁法についても、批判されている点も含めて重要なポイントをご解説いただきました。先生のご講義を受けていると、法律とは世につれて常に変化していくものであるということが感じられます。

下請代金遅延等防止法は、短いが取引関係でよく耳にするものというお話の通り、関わりの深い受講者の方が多かったようです。ここで先生から、昨年の受講者からの質問をもとにクイズが出されましたが、大半の方が正解でした。「公正取引委員会から、『某親事業者から、支払いの遅延がないか?』と回答の必要な書類が度々来るのですが」と長年なんとなく不安だったことがここで解消された方もいました(何よりです!)。先生によると、それはよく行われることだそうです。

今回の最後は会社法でした。意外と新しい法律だったのですね。株式会社について、株主代表訴訟について、会社再編について、持分会社、有限会社等について詳しく教えていただき、こちらについても最新の改正のお話がありました。
これも身近な方が多い話題で、「清算と廃業は違うのでしょうか?」、「株式交換はTOBとは違うのですか?」などと質問が多く出ました。質問から互いの日頃の業務やご興味が伺えるのも面白いところです。

受講者の皆様からは、「会社とはどのようにでき、どのような構造をし、どのようなことができる/できないのかがわかりました」、「日常業務に直結した内容の講義であったためとても興味深く、また自社の役員の動きと連動させて解釈することができました」などとご感想をいただきました。

次週はお休みの週で、第3回は27日の開催です。
お休みといっても、汐崎先生は実はこの週にも、残り2回分の壮大な資料をご用意下さるので、そのためのインターバルなのです。先生、第3回でお目にかかりますのを楽しみにしております!

文責 森 暁子(グローバルリーダーシップ研究所 特任アソシエイトフェロー)