2021年3月6日(土)11:30~13:00
櫻井 美奈子氏(NPO法人ハートフルコミュニケーション 認定ハートフルコーチ)
福田 潔子氏(NPO法人 ハートフルコミュニケーション 理事 認定ハートフルコーチ)

今回は山木しおりさんによる塾生企画回!
ヤミツキで参加しているというオンラインおしゃべり会で、ファシリテーターをなさっている講師お二人にご登壇いただきました。日頃からおしゃべり慣れしているお二人&常連の山木さんだけあって、開始前からにぎやかな会話が飛び交っていました。

最初に福田講師から活動の紹介があった後、櫻井講師からオンラインの「おしゃべり会」ファシリテーターを始めるまでのいきさつをお話しいただきました。
そしておしゃべり会についてのトピックを3つ設定して、順々に、時々バトンタッチしながらレクチャーを進めていただきました。

まず「ほぼ初対面の人同士で、なぜ話が弾むのか?」については、ひとつひとつの回のテーマが決まっていることが理由に挙げられるそうです。HPの、テーマごとに色分けされたカレンダーを見せていただきました。なるほど、これなら「パートナーについて」、「乳幼児の子育て中」、「自分自身に関すること」など一目瞭然です。参加したいところがすぐ見つかりますね!
当初は子育てのテーマのみだったそうですが、コロナ禍による自粛生活が長期化するにつれ、「自分の深掘り」や「親世代との関わり」など、参加者からリクエストが出てきたとのお話でした。コーチ自身がしゃべりたいテーマも出てきたそうです。「妄想大会(コロナが終わったら何がしたいか)」は、大好評だったとか。
またファシリテーターの存在も、話が弾む大きな要因だそうです。いろいろな参加者がいる中、Zoomの反応を見てうまく話を回し、みんなが気持ちよく過ごせるように心を配っていらっしゃるとのお話でした。「自分がしゃべりたい人もいるが、周りの人がどう思っているか知りたいという人もいる」、「人の話を聞く内に気づくことがあり、そこでしゃべりたくなる人もいる」と、参加者それぞれをよく見て気を回していらっしゃる中で見出したことを語っていただきました。

「おしゃべり会の場はどのような様子で、その効き目とは?」の話題では、同じ立場の人が集っていること、誰にも何も否定されず受け止めてもらえる温かさにより、共感と承認の嵐であるというお話でした。それなら気弱な人でも怖がらず参加できそうです。そして参加の効き目は、テーマにより2つに分けられるそうです。
自分を深掘りする系統のテーマの回には、現実を離れて自分のことを話したいという方が参加されて、「自分自身」に戻ってリフレッシュされるそうです。「私いま、『お母さん』じゃない!」とおっしゃった参加者もいらしたとか。「妻」とか「母」とか「上司」とか、普段なかなか逃れられない顔をお持ちの本日の参加者の皆様も、ここでうんうんと頷いていらっしゃいました。「自分の好きな絵本の紹介」のテーマから子供時代の思い出話になることもあるが、それでもいい、肩の荷を下ろして帰っていっていただければとおっしゃっていたのが印象的でした。
具体的な現実の問題や悩みに向き合うテーマの回では、一所懸命に生きたいがゆえに親や子供などに関して葛藤を抱える方も多く参加されるそうです。こういった回では経験者や人生の先輩などに受け止めてもらい、泣き出してしまう方もいらっしゃるとか。おしゃべり会がアイデアやヒントをもらう場になればとおっしゃっていました。
ここで、本日の企画者である山木さんが指名され、体験と、感じたことについてご紹介下さいました。山木さんはお子さんが離乳食を口にしないことに悩まれていたそうですが、先輩ママの参加者に笑い飛ばされたり、「そのうちこうなるから」と教えてもらったりしたそうです。過ぎてみると大した問題ではなかったけれど、近い未来の予習ができたことは大きかったとお話しでした。一方で、もっと小さい子のお母さんの悩みを聞いて「そんなこともあったな」と追体験をし、振り返ることもできたともおっしゃっていました。心の健康を保つ上でありがたかったし、年齢だけでなく性別や(子育て中のパパの声を聞く機会もあったそうです)地域も超えた新しい繋がりが持てたこと、それに近くにいるのに面識のなかった方と知り合えて、子育てママ同士で実際に会えたことも挙げていらっしゃいました。
山木さんの体験談にもあったように、悩んでいた参加者も、次の一歩を踏み出す顔でZoomを退室されていくという様子を伺い、人と話すことが大事であるとつくづく感じます。

最後に「退室後の参加者の心に残る余韻とは?」については、講師のお二人によると、参加して「よかった」という余韻についてメールをくれる人や、次の回で語ってくれる人もいるそうです。「次の回で聞いてくれる人がいる、独りじゃない」、「今度の回でネタにできるから、イヤイヤ期のハプニングもむしろおいしい」と俯瞰の視点を持つようになれた人や、会った人のことを思い出して「私も頑張ろう」という気持ちの芽生えた人もいたそうです。「日常で目に映る景色がじんわりと違ってくるキキメ」を語っていただきました。

結びとして、ファシリテーターとして心掛けていることを教えて下さいました。参加者と一緒にその場を楽しむ、場をリードしようとしない、教えようとしない、興味を持って聞く、相槌は短めに、ボディランゲージはたくさん…etc.

今日の参加者の皆様からは、「男性はどれくらい参加されますか?」、「自分が母乳の出ない悩みを抱えて子育て支援センターに入り浸っていた時代を思い出しました」などと、その場で質問・感想があふれ出てきました。「早朝のジムで、私のことを知らない人と」などと、自分なりのおしゃべりの楽しみ方を教えて下さる方もおいででした。
終了後には「私自身もコロナ禍で職場の同僚と話す機会が減りました。人と話すことの力、効果を改めて実感し、仕事でもプライベートでも適切な環境でおしゃべりの機会を増したいです。人と交流する、接することで人って成長できるんだなと再認識しました」、「仕事や家族以外のはだかの自分だけで、話せる人がいますが、全く知らない人(初対面)と話すことで自分をさらけ出すことが出来る場があるのは、いいのかもしれませんね」、「お二人が笑顔で安心できるような口調でお話されていて、ファシリテーターをすることがあれば参考にしたいと思いました。また、子育ては大変という漠然としたイメージがありましたが、おしゃべり会があって話せる場があるということがわかると、出産前の女性でも心強いのではないかと思いました」などとご感想が寄せられました。

櫻井さん、福田さん、ご紹介下さった山木さん、魅力的で貴重なおしゃべりをありがとうございました。
(山木さんがハマったとおっしゃった理由が分かるような気がします)

「ハートフルおしゃべり会」についてはこちら
https://www.heartful-com.org/html/02_20.html

文責 森 暁子(グローバルリーダーシップ研究所 特任アソシエイトフェロー)