2021年5月22日(土)講義:13:30~16:40
高田 朝子氏(法政大学経営大学院 イノベーション・マネジメント研究科教授、同グローバルMBAプログラムディレクター)

今年度もお待ちかねの高田先生回です。なんと23名参加の大所帯で、今回もオンライン講座ならでは、多様な立場・地域の方にお集まりいただきました。
そして今回は、新たなワークを導入していただきました!今までのワークもとても面白く、かつ深い理解に導いてくれるものでしたが、今回のものも大変楽しく、いろいろ考える契機となりました。

男女の能力差はない、ときっぱり言い切るところから始まったご講義は、現在のとんでもないコロナ禍における人手の問題とも絡めて、まず女性の置かれている環境について展開しました。
「どうやったら女性が組織の中でもっとハッピーに能力を発揮できるか」というお言葉にうんうんと頷き、「『女性ならではの視点』って何?思考停止してない?」、「耳あたりの良い言葉に惑わされてはいけない」とのお言葉にいっそう激しくうんうんと頷く方を複数お見かけ。言われてみれば本当に、日頃「女性」という大きなくくりで十把一絡げにされがちだなあと、あらためて認識された方が多かったようです。

そこで自分がどう意思決定し行動するかが最も重要というお話では、マインドセット(考え方の癖)はなかなか変わらないこと、一方で現在の大転換期こそ、柔軟に変化させるチャンスであることを教えていただきました。
そして最初の個人ワークです。簡単な質問への回答を点数化、計算することで、自分の気質の特徴を各自で見つめました。「これは現状の気質であって、変化する」とのご解説にほっとした方もいらした模様です。

続くグループワークでは、食べ物に関わる簡単なゲームをしながら、他人の視点を感じるということを行いました。これは非常に面白く、お互いお人柄をうかがうきっかけともなったようで、これでグループの仲間と打ち解けたとおっしゃった方もいらっしゃいました。
実はメインルームに残っていた高田先生と事務局メンバーも、「これが食べたい」、「これが好き」と大いに盛り上がり、その結果、高田先生は休憩時間に梅干を食べ、某事務局メンバーは翌日曜に麻婆豆腐を求めて出掛けることになったのでした。…が、高田先生はもしかしたら、気を抜いてわあわあ話す事務局メンバーを、プロの目で分析なさっていらしたかもしれません(ああ恐ろしい笑)。

さらに、上記のグループワークで相手についてどのような印象を持ったか共有することで、他人に自分がどう見えやすいのか知ることも行いました。これを書いている今になって、高田先生が我々をどうご覧になっていたか、ますます心配です。参加された皆様は、はたしてご自分でお考えの自分として、他の方の目に映っていたのでしょうか?

結びに、マインドセットに捉われることの怖さと、それがいかに形成されるか、また集団で意思決定する際に受ける影響などについて解説していただき、グループワークで得た経験をより深く噛みしめることができました。自信を持つべきこととそのコツ、またコミュニケーションで大事なことについてのお話で、幕となりました。
最後に触れていらしたエンカウンター・グループの有効性についての話題を、徽音塾がその役割を少しでも果たせたらと思いながら聞いておりました。高田先生、みんなで繋がって前に進みましょうという、元気の出るメッセージをありがとうございました!

受講者の皆様からは、「ストレートな表現、内容でモチベーションの上がる講座でした。『◯◯すべき』という考え方になりがちで、自分で情報量を減らす考え方になっていたことに気が付きました」、「リーダーシップを発揮する為には、先ず自分を知ることの重要さを学び、改めて自分を振り返り、同時に自分の考えを伝える大切さを実感する機会となりました。授業の内容も楽しく学び続ける必要性も改めて認識することができました」、「人の考え方は世代や物心ついたときの時代背景の影響があるということが、新しい気づきでした。また、人のことをバイアスをもって判断している所があると、最近の自分の行動を省みるきっかけになりました。私はこれまで自分に自信がもてず、男性の同僚で堂々としている人に気後れしたり、会議で発言できなかったり、新しいチャレンジから逃げてしまったりしていました。そんな自分が嫌でした。これは普遍的な悩みであるという事で少し楽になりました。自分で自分の小さな成功を認めながら頑張っていきたいと思います」などとご感想をいただきました。

高田先生、今年も初夏のカンフル剤をありがとうございました!コロナ禍終息の暁には、また先生と受講者の皆様にイチオシの珈琲を味わっていただきたいです。

文責 森 暁子(グローバルリーダーシップ研究所 特任アソシエイトフェロー)