2022年度の徽音塾第5回目の講義は、株式会社巻組 代表取締役の渡邊享子先生にご担当いただきました。
渡邊先生は東日本大震災を機に宮城県石巻市へ移住しました。震災のあった2011年3月、渡邊先生は修士課程1年に在籍し就活中で「大学院で都市計画を専攻していたものの自分が地方に移住するイメージはありませんでした」。それが震災後、知り合いのつてをたどって石巻を訪れ、「自分の心が納得するようなライフスタイルを作り上げると、その人の幸せにつながるし、地域のエネルギーにもつながる」と心境に変化が生じました。そこで移住を決意。リノベーションによる空き家の再活用などをする株式会社巻組を立ち上げ、現在に至ります。
講義の前半では渡邊先生の軌跡をたどり、後半はグループセッションを通じて、参加者がそれぞれのライフスタイルについて意見交換しました。「SDGsの目標と、自分のモチベーションをかけあわせてできるアイデア」についても考え「質の高い教育」や「男女平等」に関心が集中するなど塾生のみなさんが日ごろから問題意識を持って生活していることわかりました。
最後に渡邊先生は、「何かをやりたいと考えた時、その仕組みに注目するよりも、出会いや、この人と一緒にやりたいという想いで行動してみてもいいのでは」と問いかけました。塾生からは「小さなことから始めてみたい」との感想が多く寄せられ、改めて自分の生き方を考えるきっかけを得た様子でした。