2022年度の徽音塾第9回目の講義は、お茶の水女子大学 ジェンダード・イノベーション研究所 教授の斎藤悦子先生にご担当いただきました。

本講義では、SDGsのゴール3「すべての人に健康と福祉を」、ゴール5「ジェンダー平等を実現しよう」に着目し、生活時間のジェンダー差の確認を通して、健やかな生活とジェンダー平等について考えました。

個人ワークで自分の家事労働の年間貨幣評価額を算出すると、「私、こんなに働いているの!?」と驚く声が続出。ペイド・ワークは男性に、アンペイド・ワークは女性に偏っているという課題を再認識しました。この原因について斎藤先生は、新家庭経済学の視点からゲーム理論を応用したモデルとアマルティア・センの理論を用いて説明してくださいました。さらにグループワークでは、講義をふまえて生活上で女性と男性が直面している問題点と求められる取り組みについて話し合いました。

斎藤先生は、最近注目されている「ワーク・ライフ・マネジメント」の考え方を示し、仕事と家庭時間を積極的にマネジメントしていくことが大切だとおっしゃいます。そのために、個人と社会の力を合わせていくことが大切だそうです。育児時間や介護時間に見られる男女差に疑問を感じている塾生も多かった今回の講義ですが、改めて「ワーク・ライフ・マネジメント」について考えてみたいという声が多く挙がりました。