2022年度の徽音塾第10回目の講義は、前回に引き続き中央大学商学部教授の櫻井康弘先生にご担当いただきました。

講義冒頭に会計学の専門用語や仕組みを復習し、コロナ禍の影響が企業の収益にどのように表れているか、製造業と非製造業で売上高が二極化したことなどが丁寧にわかりやすく説明されました。、このようなケーススタディから、塾生はより身近に企業会計を捉えることができました。

中盤以降のグループディスカッションではクイズに挑戦。企業名を伏せた貸借対照表、損益計算書をみて、どの企業のものであるのかをグループで予想しました。「広告宣伝費がかさんでいる」、「売上原価が少ない」などそれぞれの表から読み取れることを押さえながら正解を導きました。

櫻井先生は、「増収」「増益」は似ているようで意味が違うことや、いずれも前年との比較が一番大切で、単なる増減ではなく、どのくらい増えたのか、減ったのかを見なければならないことなどをわかりやすく説明して下さいました。また、新聞の切り抜きを使って各企業の会計に関する記事を示し、その背景にある社会情勢を関連付けて下さったことで塾生の理解はより深まりました。

「会計学と聞いて頭が痛くなる人もいるかもしれません」という櫻井先生の心配をよそに、早々とレポート課題を提出した塾生がいたり、「仕事で会計を使っているから深く学びたい」という声が届いたり、多くの塾生にとって会計学に興味を持つきっかけになったようでした。