徽音塾第8回目の講義は「ジェンダード・イノベーション」をテーマにお茶の水女子大学 ジェンダード・イノベーション研究所 特任教授の佐々木成江先生にご担当いただきました。

2022年4月に設立されたお茶の水女子大学ジェンダード・イノベーション研究所で特任教授を務められている佐々木先生は、「ジェンダード・イノベーション」とは何かを説明され、、研究や技術開発のデザインに、性差(セックス/ジェンダー)分析を組み込むことの重要性をご教示くださいました。

日本ではまだまだなじみの少ない「ジェンダード・イノベーション」ですが、海外では既に積極的な研究が始まっています。性差分析研究についての海外の動向をふまえ、「国内でも性差を考慮した研究や技術開発が求められる」と佐々木先生は主張されました。例えば、車を使った人体実験のモデルは男性が多く使われていることや、薬の効果についてのデータは男性が治験対象になっていることがあるなどの事例をあげていただき、「今後は、医学的、工学的な視点からはもちろん、技術面でのジェンダード・イノベーションを期待したい」とお話しくださいました。

講義の後半では、佐々木先生のゼミでジェンダード・イノベーションに関わる研究を進める情報科学科の学生からのヒアリングもあり、さまざまな立場でジェンダード・イノベーションについて考えることができた講義となりました。