徽音塾第13回目の講義は、「グローバル資本主義とホームとしての地球(グローブ)」をテーマに、本学基幹研究院 人間科学系教授の水野 勲先生にご担当いただきました。
講義は「生活経済」、「市場経済」、「資本主義」の関係を紐解くところから始まり、「資本主義は現代世界を支配する経済システムだが、巨大になりすぎて、エクメーネ(人類集団の居住地域)を破壊しそうになることがある」と問題提起がなされました。「資本主義の経済システムは、地球上の多数の人々の仕事と、元からある自然によって無償で支えられている」との指摘とともに、大量生産、大量消費、大量廃棄を看過している今の状況にとって何が打開策になり得るのかを議論しました。
後半は、『スモール・イズ・ビューティフル』の著者である経済学者エルンスト・フリードリッヒ・シューマッハーによる「中間技術」という考え方に触れるとともに、東日本大震災後の原発のあり方や放射能汚染を例に、その地域が有する資源を最大限考慮・活用しての適切な技術とは何かということについても考えを深めました。
塾生からは「エネルギーの使い方を生活の中で意識していきたい」という声があがり、「ふだん触れることができないお話が聞けてよかった」と、日常を見直すきっかけになったようです。