2015年9月5,12,19,26日 13:30-16:40
中溝恵津子氏(中溝公認会計士事務所公認会計士)
「財務会計(財務会計及び管理会計)」
1. 9月5日 13:30-16:40
9月全4回の講義を通して、有価証券報告書を読み解けるようになることが、今回の講座の目的の一つです。複式簿記の起源から講義が始まり、そもそも会社とはどのような組織なのか、会社法・金融商品取引法・税法などの観点からお話いただきました。特に、複式簿記、貸借の基本について、「資産・負債・純資産・収益・費用」に関する図を使った詳しい説明が行われました。具体的事例として会社の不正問題を取り上げ解説が行われ、時事に即した財務会計の知識を得ることができました。まとめとして、会計基準は、ルールに則った比較可能性の確保のために必要であることを確認し、終了しました。
塾生からは「具体的な会社のケーススタディをもっと見てみたい。見るときのポイントを教えてもらいたい。」など具体的な要望が多くありました。
2. 9月12日 13:30-16:40
前回の授業に対する質疑応答から始まりました。塾生からは「コンビニの戦略の違い」「工事進行基準について」「決算書を読むコツは?」など様々な質問が挙げられ、それに対して解説が行われました。今回の講義では、貸借対照表(B/S)、損益計算書(P/L)、株式資本等変動計算書、連結財務諸表について説明が行われました。その知識を基に、2時限目ではケーススタディに取り組みました。5社に関する資産、負債、利益の内訳の表をグループに分かれ分析に取組み、会社名を推測し、最後に発表を行いました。
塾生からは、「ケーススタディでは、各社の業種・形態を考えてディスカッションできたので、非常に良かった」という感想が非常に多く挙げられました。
3. 9月19日 13:30-16:40
前回の授業に対しても多くの質問が寄せられました。「不正と損失の違い」「損益計算書の読み解き方」「デリバティブとは」などの質問に、時事問題を交えながら解説が行われました。今回の講義では、企業の根幹を成す経営管理について学びました。業績評価・組織管理の会計について学び、安全性分析に関してグループワークで航空業界のケーススタディに取り組みました。当座資産、固定資産、その他の流動資産、流動負債、固定負債、純資産のバランスに注目しながら、各グループで討議を行いました。その後投資の意思決定の会計、資本資産価格モデル、内部収益率、資本コストなどを学び、実際の会社を例に投資回収の計算を行いました。
塾生からは「流動比率について、ケーススタディで各社の比較を行ったことで、資産と負債のバランスについて危険な状態などを 考えることができ、理解が深まった。」「投資プロジェクトの評価方法は少し難しいと感じました。」等の意見がありました。
4. 9月26日 13:30-16:40
前回の授業において難しい部分であった「投資プロジェクトの評価方法」の確認から講義が始まり、回収期間法やDCF法(Discounted Cash Flow)について復習をしました。その後、原価計算、固定費と変動費、損益分岐点分析について講義が行われました。損益分岐点分析については、実際に麺製造業を例にグループで取り組みました。売上高、材料費、燃料費、労務費、販売費などの分析を行い、経営サイドとしてどのような分析や判断が可能か、グループごとに発表しました。最後に内部統制と不正事例について、最近の時事問題を例に説明が行われ、終了しました。
塾生からは「損益分岐点分析について、実際の事例で考えることができたので、大変良かったです。」「原価計算や損益分岐点分析はこれまで業務の中でも我流に近い形でやっていたのですが、改めて体系的に学ぶことができ、整理できたように思います。」など、感想が挙げられました。
(文責:徽音塾 事務局 林)