2022年度の徽音塾第13回目の講義は、お茶の水女子大学基幹研究院自然科学系教授の服田昌之先生にご担当いただきました。
前半は、人口減少(少子高齢化)、都市集中・地方過疎、自然災害多発、食料自給率の4つのテーマについてお話ししてくださいました。ご講義は、「この問題はどうすれば解決できると思いますか」という先生からの問題提起をはさみながら進み、問われた塾生は真剣に考え、自分なりの回答を導き出していました。沖縄の土地利用や、豪雨による被害は川幅の違いによっても異なることなど、先生が多くの身近な事例を示してくださったおかげで、塾生の理解もより深まったようです。ただし、自然災害に対する解決策は、地形だけではなく、時間軸を幅広くとって考えることも必要だと教えてくださいました。
後半は、「昆虫食は有効か」、「下水の利用の仕方はどうするべきか」、「肥料不足の時代に、物質はどうやって循環していくのか」、「スマート農業とは」など、さらに具体的なテーマについて掘り下げていきました。「今回のテーマであるSDGsは切実なテーマである」こと確認したうえで、先生から「SDGsは個人レベルで考えると難しい問題だからこそ、幅広い視野で課題を捉えることが必要だ」との指摘がありました。今回の講義で初めて生態学に触れた塾生も多く、これまで断片的だった知識を体系づけて理解することができたようです。